東京六大学野球春季リーグ戦は14日開幕し、6月2日からの慶早戦まで神宮球場を舞台に8週にわたって戦われる。春季リーグ戦では10年ぶりの優勝を狙う慶大は14日第2試合の立大戦が初戦となる。それに先立って宮田泰成主将に今季に向けての意気込みを伺い、本紙記者による各大学の戦力分析を行った。

(湯浅寛)

 春秋共に3位に甘んじた昨シーズン、チームにとっても、宮田新主将にとっても決して納得の出来る結果ではなかった。個人の結果に関しては「試合の中で自分の力を十分に発揮できなかった」という。オフの期間は試合を想定して一連の動きでボールを処理すること、打つ時のタイミングの取り方を重点的に練習してきた。

 中心選手として結果を出すことが求められるのはもちろんだが、「主将になって今までより強くチームのことを優先するようになった。極端に言えばチームが勝ちさえすれば自分の結果はどうでもいいくらいの意識」を持っている。また、「自分は1年生の時から試合に出るなど、他の選手より多くの経験をしてきていると思うので、それをグランドで伝えていきたい」。フォアザチームに徹する意気込みだ。

 今年は金森、岡崎ら、攻守の要が抜けた。しかし、「抜けたからといって心配するということはない。一人一人が場面に応じた役割を果たせればいい。自分も状況に応じたことをしていくだけ」と頼もしい。

 リーグ戦を戦う中で不利な状況に立たされることもあるだろう。相場監督は「打ち勝つ野球」をテーマに掲げている。「打ち勝つ」とは、打って点を取るということが連想されるが、それだけを意味しているのではない。不利な状況であってもその状況をチャンスだと思い、「打ち勝つ」という意味も含まれているのだ。この意識は部内に浸透してきている。

 「どうやって勝つか、どうやって日本一になるかということしか頭にない。毎年優勝したいと言っているが、今年は本当に優勝する自信がある。選手全員そのつもりで練習している」と力強く語ってくれた宮田主将。特に注目を浴びる今シーズン、慶大はチーム一丸となり「打ち勝つ」野球で頂点を目指す。