リーグ戦前期を終えて、2勝4敗5分で12チーム中降格圏の11位。まだ折り返し地点といえども、苦境に立たされている。
 
昨シーズンから戦う選手が多くないため、経験の少なさから疲れが見えるのは事実だ。しかしそれ以上に浮き彫りになったのは、メンタル面での問題である。如実に表れているのは6・7・9節のような失点を重ねて敗北したゲームで、特に9節は一度崩れると立て直すことができないまま、連続失点していた。

筑波大や順大ら上位チームに対しては、相手の高い攻撃力に屈することなく粘り強い守備で引き分けに持ち込めていた。だがその次の試合に生かすことはできなかった。

最終第11節は最下位桐蔭大との直接対決で、勝たねばならない試合だった。追いつかれる形での引き分けという結果は、不調から抜け出せない前期の慶大を象徴する。

須田監督は第11節終了後に「これで終われば降格で、自分たちは弱いとわかったことはよかった」と語った。リーグ制覇という目標は「自分たちは強い」という錯覚を生み出し、そのひずみがチームを苦しめたのかもしれない。立て直しを図る時間はある。後期、会場に若き血の響く光景がさらに見られることを期待したい。
(杉浦満ちる)