2009年、体育会の各部はそれぞれが新たな目標を掲げ、スタートを切った。男子庭球部は全日本大学対抗テニス王座決定戦で優勝し、日本一の称号を手に入れることを目標においた。
2007年に全国2位の結果を残した庭球部は昨年、日本一を目標に戦ったが、関東3位という悔しい結果に終わった。主将の鎌田選手(経3)は「去年は最後まで戦い抜けたことに関しては充実感があったが、目標を達成できず悔しさが残った。今年はとにかく一生懸命練習して優勝を目指す」と目標に向けて意欲を見せる。
主将の言葉にあるように今年の代のテーマは『一生懸命』。エースの会田選手(総2)は「当たり前のことのようで難しい。ただ部員みんながそれを一年間持ち続けてやれれば結果を残せると思う」と自信を見せる。
しかし、日本一になるには倒さなければならない強敵がいる。4連覇中の早大だ。坂井監督は「早大はトップ選手が集まっている。多くのプロ選手を輩出しているし、ノウハウが蓄積されており強敵だ」とライバルの強さを認めた上で「このチームも勝つための技術、体力は身に付いてきている。日本一を目指す上で鍵となるのは、早大に絶対勝つという気概。部員全員でこの気概を持てば今年は大いにチャンスがある。そのための準備はしている」と手応えを感じている。
鎌田選手は「早大は強いチームなので、勝つためにはとにかく練習すること。トレーニングでは早大よりもきついことをやっていると自信を持っている」と、まずは練習量で日本一を目指す。
また主将として「自分の背中で誰よりも一生懸命に思ったことを実行していきたい。後輩に指導する時も思ったことは全部言うようにしている」とチームを引っ張っていく覚悟をみせた。会田選手も「上級生になるしチームを引っ張っていきたい。練習、試合の自分の背中を見せて後輩に付いてきてもらいたい」と力強く語った。
大学日本一を目指す庭球部だが、坂井監督は部員にテニスの技術以外の面での成長も期待している。「強い部を目指すだけでなく、テニスを通じて自ら考えて実行する力を養うことを目指している。プロを目指す選手も、卒業後は企業で働く選手もいるが、この力はどの世界に出ても必要なものだ」と選手の自主性を重要視している。
その実現のために庭球部はコートを離れた部分での活動も積極的に行っている。去年は国内外のプロ選手を集めた慶應チャレンジャー国際テニストーナメント2008を運営。また企業のトップを招き、講演会を開くなどして部員に考えさせる機会を与えている。
さらに坂井監督が目指しているのは庭球部を『開かれた部』にすることだ。「庭球部が何をやっているのか伝える機会を持ちたい。体育会と一般の学生との間には距離があるように感じるが縮めていきたい。OBや住民、テニスサークル等いろいろな人たちにぜひ練習を見に来て欲しい」とアピールした。
会田選手も「去年はバスケ部などほかの慶應の体育会が活躍した。庭球部も活躍して、もっと注目してもらえるようにしたい。庭球部が慶應の代表と思ってもらえるように頑張りたい」と抱負を語った。
日本一になるためにチーム一体となり技術面だけでなく、様々な面で成長し、変わっていこうと努力を続ける庭球部。これからの活躍に期待し、注目していきたい。
(岩佐友)