今問われる、全協の正当性

皆さんは慶大の学生自治組織についてどこまで知っているだろうか。「自治会なんて知らない」「毎年選挙してるやつ」といったぼんやりとした認識の人が多いのではないか。新入生も在校生も、この機会にしっかり慶大の自治組織について知ってほしいと思う。

全協の歴史

現在慶大には医学部四谷キャンパスの自治会である四谷自治会と、薬学部の芝共立キャンパスの自治会である芝学友会が存在している。しかし、全塾生を代表する自治会は存在していないのが現状だ。では、我々が学費とともに支払っている自治会費はどこに行ってしまったのだろうか。

慶大の自治会は1‌9‌4‌6年に慶應義塾自治会(以下自治会)として発足した。同会は文学部、経済学部、法学部法律学科、法学部政治学科、医学部、工学部、医専、獣医学部、予科の各学部に加え、学術団体連盟、文化団体連盟、体育会の諸団体から選出された委員によって成り立っていた。つまり、名実ともに慶大の全塾生を代表する機関であった。しかし、自治会は1‌9‌6‌0年代の学費値上げの騒乱の最中存続が危ぶまれ、ついに1‌9‌7‌7年には完全消滅した。そんな中、自治会の傘下団体への自治会費の配分を行うために1年間限定で暫定的に立ち上げられたのが、現行の自治組織である全塾協議会(以下「全協」)だ。

現在の全協

全塾協議会 組織図
全塾協議会 組織図
現在の全協は、体育会本部、文化団体連盟、全国慶應学生会連盟、全塾ゼミナール委員会、四谷自治会、芝学友会、Student Counselorsなどを含む福利厚生機関本部の7つの団体、通称「上部七団体」と選挙管理委員会などの特別委員会や三田祭実行委員会、オリエンテーション実行委員会などの所属団体から構成されている。(図参照)






全協の主な業務は、全塾生から徴収された2‌0‌0‌0万円に上る自治会費をそれぞれの組織の活動内容を鑑みて公平に分配し、正しく使われているか監査することだ。またそれぞれの団体が独自にスポンサーなどをつけて獲得した資金の監査も行う。これにより年間総額で1億円を超える莫大なお金が、正しく全塾生のために使われているかを確認している。

自治会費値上げ

40年近い歴史を持つ全協だが、ここ数年大きな問題に直面している。それは深刻な資金不足だ。この大きな問題に対して全協は自治会費を従来の7‌5‌0円から1‌5‌0‌0円に上げることを決定した。しかしこの決定は学生センターに退けられた。全協が全塾生の意見を反映できる組織であるのかわからないという理由が主ではないかと、事務局長の髙井康佑さん(法3‌)は推察する。たしかに、従来の全協は上部団体のみで意思決定がなされ、これらに関係しない塾生の意見は反映されにくかった。しかし、現在の全協は24年前の全協改革によって公選されるようになった事務局長および次長が上部団体を率いている。「現在の全協は十分に塾生の意見を反映できる体制を構築した」と髙井さんは言う。

とはいえ、事務局長・次長選の投票率は全塾生の10%を何とか超えているに過ぎないのも現実だ。全協が全塾生の意見を反映できる自治組織であると認められるためには、全協側がどれだけ自分たちが塾生の生活に関わっているのかを示す必要がある。この事実は髙井さんも良く認識している。「現在の体制はとてもではないが完全とは言えないので、より民意を反映できる組織を目指して組織の改革を進めていく」と語ってくれた。また、我々塾生も漫然と過ごすのではなく、慶應義塾の発展のためにはどのようにしたらよいのかを、日々考え続けることが求められる。
(上出恵大)