記者の眼 ラグビー・バスケ 2015年度総評

ラグビー 亡き名将の遺志受け継ぎ、王の座へ

春季大会では幸先の良いスタートを切ることができた。重視していた運動量と低いタックルについては確実に効果が出てきていたが、その一方で、簡単にトライを奪われるシーンが何度も見られるなど、守備はまだまだ向上の余地がある。

関東大学対抗戦では復帰したSO矢川(環4)の活躍もあり、春季大会で敗れた筑波大に初戦で勝利し、波に乗った。続く日体大、立教大にも圧勝し絶対王者帝京大との試合に臨んだが、結果は黒星。相手の強いプレッシャーを受けて、持ち前の低いタックルや粘り強い守備も歯が立たず、日本一の遠さを実感する試合となった。 その後も明大相手に完敗し、底力という点でまだまだ及ばないということが露呈した。帝大戦、明大戦後の金沢ヘッドコーチの「練習で想定していた以上の相手の圧力によって、自分たちのプレーができなかった」という言葉がそれを如実に表している。結果として、対抗戦リーグは5位通過に終わり、大学選手権に望みをかけた。

迎えた大学選手権では初戦で関西トップの同志社大を相手に戦うも、慶應らしさが発揮できず敗戦。その後の試合でも負け星を重ねることとなった。

今季は新しく監督に就任した金沢ヘッドコーチの下で「運動量と低いタックル」の強化が最重要項目として掲げられてきた。その課題はある程度達成できたと言えるが、一方で敵陣に入った際のプレーの精度、ミスをした際の攻守の切り替えなど見直すべき点はまだまだ多い。キャプテンで司令塔だった矢川の穴をどう埋めていくのかという課題もある。

昨年は、かつて慶應を日本一に導いた元監督の上田昭夫氏が亡くなった年でもある。上田氏の遺志を受け継いで、今年こそは、悲願の日本一の座を虎視眈々と狙う。
(野澤昂至)

バスケットボール 右肩下がりのシーズン上位へ向け課題は山積み

慶大バスケットボール部は、11月のインカレをもって2015年度の全ての日程を終えた。前期に行われた六大学リーグで優勝したものの、後期の関東大学バスケットボールリーグ1部では6勝12敗の8位で辛くも残留するという結果に終わった。リーグ1部は強敵ぞろいとはいえ勝ち数の倍の負けを喫し、インカレでも初戦敗退となれば、課題は山積していると言える。

その中でも特に顕著だった弱点のひとつがリバウンドだ。オフェンスリバウンドはともかく、ディフェンスリバウンドをいとも簡単に相手に許してしまう場面が全ての試合で見られ、これが相手のイージーバスケットやフリースローに繋がっていた。リバウンドのためのジャンプすらしない場面や、何ということはないリバウンドを誰も取らずに床でバウンドするような場面も珍しくなく、ディフェンスリバウンドへの意識は見るからに低かった。

攻撃面で深刻な課題として見えたのは、オフェンスの無策さだ。ショットクロックを意図の見えないボール回しで浪費する場面もあれば、インサイドが固められているのにドライブする場面、さらにはフリーなのにパスしてしまう一方でマークのいる場面で構わずシュートを打つ場面など、随所でちぐはぐさを露呈。それらが福本(環4)らの個人プレー頼みな試合展開を招いていたともいえる。特にショットセレクションの面では、前述のようにシュートもキックアウトも判断が拙く、改善の余地が大いにある。

リバウンドやターンオーバーから相手に容易な得点を許し、一方で自分たちがタフショットを繰り返しているようでは、勝てる試合も勝てない、それが今季の率直な印象だ。まずはしっかりフリーの選手を作り出し、そこから確実に決めるというシンプルなオフェンスを身に着け、なおかつ粘り強いディフェンスとリバウンドへの意識を持たなければ、今後の浮上は見込めないだろう。
(辰巳龍)