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体育会承認から1年 新進気鋭 自転車競技部の今

練習に励む自転車競技部の部員達

練習に励む自転車競技部の部員達


山中湖に程近い牧馬峠。この静かな峠に、ペダルを踏む音、タイヤの擦れる音、そして選手の息遣いだけが繰り返し響き渡る。
 
慶應義塾體育會自転車競技部は、1902年に創部された、現存する日本最古の自転車競技チームである。発足当時は「慶應義塾自転車倶楽部」という名称で、初代部長は福澤諭吉の長男、福澤一太郎氏であった。そしてこの部は、昨年度体育会として認められてから今月、ちょうど1年の節目を迎える。
 
近年、ツール・ド・フランスといった有名な世界大会での日本人の活躍、自転車競技を題材としたアニメの流行などによって、日本全体で自転車競技の競技人口が増えつつある。さらに、部としても現在の副将が全日本学生大会で3位を獲得するなど、成績も大きく向上した。これらが體育會承認に繋がった理由である。
 
競技場を使って短距離で競う「トラックレース」、公道などを使って長距離で競う「ロードレース」の2種目の大会に部員全員が出場している。現在の部員数は30名、うち12名が新2年生である。  
 
部員のうちほとんどが、大学に入ってから自転車競技を始めた。「自転車競技は頭脳戦のような部分もある。コンピューターで選手達のデータを解析することでより効率の良い練習が可能になる」と主務の朝比奈佑一さん(文3)は語る。個人がもともと持っている能力だけでなく、練習の効率性と努力次第では初めての人でも十分に上達が可能な競技であるという。
 
昨年の体育会承認は、選手達に大きな影響を与えた。特に体育会の行事に参加することができるようになったことは、選手のモチベーションをさらに上げるきっかけとなった。他の部との関わりも生まれ、協力体制も出来上がった。また、補助金を受け取れるようになったことで、資金面でも余裕ができたそうだ。
 
練習は平日の朝練と週末の練習を合わせて週に4、5回。今回同行した練習では、10分程度の登り降りを5セット行った。牧馬峠は「激坂」として自転車競技をする人々の間で有名な峠だ。休むことなくペダルを漕ぎ続けなければならない。かなりハードな練習である。
自転車2 圧縮 
このような牧馬峠での練習の一方で、時には長く緩やかな道を走り続けることもある。毎回の練習で目的を定め、それに合わせた練習場所が副将を中心に選ばれている。
 
長期休暇には千葉県や長野県で合宿も行っている。朝比奈さんは、「都内から離れた所で練習するため、まとまった距離を走ることができるところが合宿の良さ」と話す。
 
自転車競技部では、選手の「やる気」を大切にしている。1週間の練習の中で強制参加の練習は少なく、自分の弱点を考慮した上でどのような練習を行うべきか自ら考える主体性が求められている。今年もそのような「やる気」のある新1年生の入部を心待ちにしているという。体育会として組織されて、まだ間もない部のため、より良い運営のためであれば、下級生の意見も柔軟に取り入れることができる。練習風景からも、上級生と下級生の仲の良さが伝わってきた。
 
今年度の目標は「インカレでのポイント獲得、そして優勝」である。新進気鋭の体育会自転車競技部。大会での実績に注目が集まっている。その裏には、目的を明確にした練習と、個人のたゆまぬ努力があった。
(平沼絵美)

※編集部注
学年・役職は取材時のもの

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