あなたは、SFCの体育が卒業時までの必修科目であることをご存知ですか――。体育といえば、まず思い浮かぶのはバスケットやサッカーなど一般的に中学高校時代の体育の授業でもやったことのあるスポーツではないだろうか。SFCの体育の授業はそういった「動的」運動科目ばかりでない。クラシックバレエや自律神経訓練法など、SFC生にとっては体育制度がなければ取り組んでみる機会もなかったような授業はたくさんある。
 体育専任講師の佐々木三男教授によると、SFCの体育制度は一九九〇年キャンパス設立当初からあったもので、設立時に「自然言語(外国語)」、「人工言語(情報処理)」、「心と体を鍛える」というSFCの三つの中心概念があったと言う。この「心と体を鍛える」概念が、体育科目として今も守られている。体育は「ダイナミック(動的)な体育」と「スタティック(静的)な体育」という二種類に分類される。実際、中高で行われてきたようなダイナミックな体育には取り組みにくいと感じている学生は多かった。そんな状況下、動きながら仲間と交流できるような場を体育の授業で行えたら良いだろうという趣旨から、スタティックなものが取り入れられたのだそうだ。
 では、その「スタティックな体育」の授業の一部を簡単に紹介しよう。

●クラシックバレエ
 最初にバーレッスンから始まり、次に鏡を見ながらバーなしで練習し、最後に有名な作品(白鳥の湖など)の一シーンを皆で踊る。未経験者や体が硬いことを心配している人でも大丈夫。

●気功
 指導者の体の動きを真似ていく。動きは一つ一つとてもゆっくりしたものばかりなので気軽に取り組める。瞑想の時間があり、邪念を取り除き、集中力を高めていく。

●ウェルネス
 教室内で心理テストを行ない自分の今の心理状態を理解する。さらに他の受講者と組んでお互いに話し合い相手のことも理解しようという授業。

●自律訓練法
 授業の最初は「自律神経の病気」等に関するビデオを鑑賞。そのあと、自律神経を訓練するために寝転がって気持ちを静める。

●スポーツマッサージ
 講師は元ラグビー日本代表のプロマッサージ師の方。熟練技のマッサージを受けて全身筋肉の凝りを解していく。

 その他に紹介しきれないほどの種類がまだたくさんある。SFC生であれば、さまざまな種目にチャレンジして自分に合ったものを探してみよう。残念なことに、他学部生の授業参加は基本的に認められていない。しかし、「動きたいときに動ける」環境作りを重視しているため、単位外参加を認めている。他学部生も担当者との交渉次第では受講できる授業があるかもしれないということだ。

(工藤真理恵)