慶應塾生新聞会 三田オフィス
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29年度義塾予算 施設の建設費用が増大

慶應義塾 消費収支予算(単位:千円)

平成29年度収支予算案が承認された。基本金組入前当年度収支差額は75.9億円の収入超過を見込んでおり、昨年度より18億円増額となっている。なお、今年度は塾長改選に伴い執行部が交代するため、暫定予算として発表された。今後は新執行部のもと評議員会で承認された後、正式に本予算となる。

平成28年度決算は、基本金組入前当年度収支差額は1‌1‌2.3億円で、昨年と同様に予算の57.8億円を大きく上回った。寄付金や受託研究による収入の増加が主な要因として挙げられる。

基本金組入制度とは、義塾の三つの柱となる教育活動、研究活動、医療活動のための施設設備の更新や新設等への投資に対し、資金を事前に積み立てる制度である。

今年度予算の教育活動収支差額に関しては、受託研究事業による収入が増加する一方で、教育研究経費や人件費の増加を見込んでおり、前年度よりも5.1億円減額となっている。ただ、施設設備にかかわる寄付金等の特別収入が大幅な増額となり、基本金組入前当年度収支差額は75.9億円の収入超過になっている。基本金組入は、大学病院の新病院棟建設をはじめ、SFC中高の校舎増築や旧図書館の耐震工事、塾高の70周年事業による新教育棟(仮称)建設、日吉記念館建て替えなどがその対象である。

例年通り今年度予算においても、「基本金組入額合計の50%を賄うだけの収入超過を達成させ、中期的には収支均衡を目指す」という目標を維持している。

義塾は平成26年度にスーパーグローバル大学創成支援事業に採択された。平成29年度は義塾の第Ⅱ期中期計画の初年度にあたり、「全塾的な情報発信のさらなる強化」や「国際化の推進」という重点課題に予算を優先的に配分した。一方で、経常的な事業については中長期的な視点で抜本的な見直しを行い、平成28年度の支出予算を上限とすることで健全な財政の実現を目指している。

教育研究や医療の質を高めるため、義塾財政の改善は常に求められる。教育事業の収入の増額は一つの課題だが、優秀な学生を確保し続けるうえで安易な学費増額はできない。経理部課長の上野圭祐氏は、「今後も施設の建設が高水準で続くため、財源の確保と支出の節減は継続して努力する必要がある」と語る。

なお、基本金組入後の当年度収支差額は48億円の支出超過を見込んでいる。

【用語解説】
事業活動収入計は、学生生徒等納付金(学費)、手数料(入学検定料)、医療収入、寄付金、補助金などの収入であり、借入収入などの負債となる収入は除かれる。事業活動支出計は、人件費、教育研究経費、病院経費など、当該年度に消費する支出である。
 
基本金組入前当年度収支差額は事業活動収入から事業活動支出を引いた額である。基本金組入前当年度収支差額のプラスは、将来的な施設投資や借入金返済による基本金組入額の財源となる。基本金組入後の収支を当年度収支差額という。学校法人会計基準では、当年度収支差が均衡することを求めている。