喊声 11月号

三田祭が間近となった。私はもう3度目の参加だが、毎度、人で埋め尽くされた中庭の光景になんとも言えぬ感慨を覚える

▼あの場にいる一人一人にそれぞれの「三田祭」があり「大学生活」がある。数千人の価値観、背景、言葉、仕草、いわば現実構築の一切が、三田の丘の上でひとつに重なっている。その交錯に身をおいたときの、あの遠い感覚。自分が考えていた「慶應義塾」は実際よりも遥かに小さい世界だということを思い知る

▼三田祭はいわばディスプレイだ。目に見えない人や情報の巨大なネットワークを視覚化してくれる。同時に、普段はアクセスできない集団の知なり活動なりに簡単にアクセスできる機会でもある。慶應義塾に関わる全ての人がオンラインになる貴重な瞬間だ

▼祭というのは文字通りあっという間に終わってしまうものだが、偶然との出会い=セレンディピティの宝庫でもある。自らの所属する組織にとらわれず、まったく意識してこなかった世界へ足を踏み入れる絶好のチャンスだ

▼慣れてきた上級生こそ、開拓意識をもって三田祭に臨んでみてほしい。そこで生まれたたったひとつの出会いが、人生を変えるかもしれない。
(和田啓佑)


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