【記者の眼】体育会4部 前期総評

野球部
秋季へのカギ 投打力向上なるか
六大学野球春季リーグ戦が幕を閉じた。連覇を目指す慶大野球部であったが6勝5敗勝ち点3の3位に終わった。

開幕カードの連敗でスタートダッシュに失敗したものの、明大第3戦から破竹の5連勝で優勝争いに留まった。しかし最後は早慶戦に連敗し、完全優勝を決めた早大との力の差を見せつけられる形となってしまった。

今季、慶大は六大学中4位のチーム打率0・225、平均得点3・63と打線が苦しんだ。中盤戦からは打線に復調の兆しが見えたが、主軸の調子の浮き沈みが大きく、中でも3季連続で打率3割超の谷田(商4)が0・146、主砲の横尾(総4)が0・250と苦しんだ。主力の不調により打線が滞りがちであった。

一方でレギュラーに定着し、結果を残した選手もいる。梅野(環4)、沓掛(商3)、照屋(環2)だ。梅野は昨年までは主に代走、守備固めで起用されていたが、今季はリーグ7位の打率0・333、2位の6盗塁を記録し、自身初のベストナインに輝いた。沓掛は今季、自身初の本塁打を放つなど打率0・300、打点8と飛躍。照屋は東大1回戦からスタメンに定着すると安打を量産、規定打席未満ではあるが0・304を記録した。

投手陣では、加藤拓(政3)がリーグ3位の防御率2・23と奮闘を見せた。一方で三宮(商4)、加嶋(商4)らは目立った結果を残せなかった。特に加藤と二枚看板として期待された三宮は安定した投球ができず、防御率4・13と精彩を欠いた。加藤に次ぐ投手の台頭が今後の課題になるだろう。

全日本大学野球選手権大会も制した春季覇者早大の実力は圧倒的。これを破り、秋季リーグを制するのは至難の業だ。しかし、終盤まで優勝に絡んだように地力は十分にある。投打力向上で秋に雪辱を晴らしてくれることを期待したい。
(高野祐也)


バスケ部
早慶戦に大差で勝利 勢いに乗り後半戦へ
新チーム発足から早くも4ヶ月が経過。六大学リーグ、春季トーナメント、新人戦と大きな大会を戦い抜き、チームは大きな成長を遂げた。

六大学リーグでは5戦4勝で優勝を飾り、好発進。春季トーナメントでは目標だったベスト4には届かなかったものの、16位とまずまずの結果に終わった。また、早慶戦では去年に引き続いて白星を飾った。新人戦は惜しくも準々決勝で拓大に敗れたが、トカチェフ(環2)が得点王・リバウンド王を獲得し、目覚ましい活躍を見せた。

昨年まで元主将の伊藤を中心にまとまっていた慶大は、オフェンスで伊藤が攻撃の起爆剤となり、さまざまな攻撃を展開していた。伊藤が引退した今季はチームの攻撃力弱体化が懸念されたが、黒木(環4)や福元(環4)がチームを支え、インサイドでもアウトサイドでも攻撃を仕掛けられる、より多彩な攻撃パターンが出来上がっている。

去年からの課題であったインサイドプレーは、期待の新人トカチェフとチームの大黒柱である黒木のゴール下での動きがより洗練され、リバウンド奪取率も昨年に比べ上がってきている。アウトサイドでは新たにチームに加わったガード鳥羽(環1)や昨年から活躍する西戸(総3)が3Pで攻撃を仕掛けることも可能になり、臨機応変に攻撃を繰り出せるチームになった。

黒木が「個人の出来としてはまだまだ。後半は1部リーグの強敵と戦うので、しっかり練習に励みたい」と語ったように、持ち味である慶大らしい粘り強いプレーのレベルを高め、ボールへの執着心を見せられるかが、今夏の大きな課題となる。
(島村成)


ソッカー部 
新システム始動と見えてきた課題
関東大学サッカーリーグ前半戦が終了し、4勝2敗5分けで現在5位の慶大。また、アミノバイタルカップにも出場したが、1回戦敗退に終わった。

今季の慶大は、昨季の堅守をベースに縦への速い攻撃を融合させ、昨季までの得点力不足に改善が見られた。開幕から第7節まで主将のDF久保(環4)を怪我で欠いていたが、4バックの3年DF陣が専大戦を除いて複数失点なしと安定した守りを見せた。久保が復帰してからも変わらず、昨季時間をかけた守備の練習成果が発揮された。

攻撃においては、今季3得点のMF松木(総1)やMF小谷(環1)といった新戦力の活躍がチームの攻撃陣に刺激を与えた。加えてユニバーシアードにも選ばれたMF端山(総4)の球際の強さやMF手塚(環2)の流れを変える動きなどが新戦力の躍動を支え、縦への速攻というチームのスタイルにフィットした。

しかし引き分けが多く勝ちきれない試合が多かったこと、途中首位争いを演じる中で下位チーム相手に勝てなかったことは憂慮すべき点だ。特に引き分けが多いことは、チャンスでの決定力不足が出ていると言える。また、無失点での勝利は1試合のみで、守備力の改善が求められる。

チームを率いる須田監督は「勝ち点17を取れたのはまずまずの結果。後期に向け守備の確認、ポゼッション、そして攻撃を鍛えたい」と、得点力と守備力両方の向上を目標として語った。

現在リーグ首位の国士大まで勝ち点3に迫っており、十分に優勝を狙える位置にいる。秋季に向けてチーム力の向上と新体制の安定化がカギとなるだろう。
(八木理志)


ラグビー部 
優勝逃し不完全燃焼 日本一へ向け前進
春季大会を終え、慶大は中大、山梨学院大、大東文化大、青学大に勝利、筑波大に敗れグループBで2位となった。昨季に比べると成績は上がったものの、今季こそ大学日本一を目指すチームとしてはこの結果は決して満足のいくものではないだろう。

取材をしていく中で記者が感じた課題として、まずディフェンスの甘さがある。相手の二次、三次攻撃になるとディフェンスラインが崩れ突破を許してしまう場面が何度もあった。また自分たちが敵陣でアタック中、ミスによって相手にカウンターを受けてしまっていた。特に筑波大戦の後半は、焦りからミスを連発し逆襲されるシーンが何度も見られた。このように、チームの完成度はまだまだ向上の余地がある。秋の対抗戦までチーム力をさらにアップさせることは必要不可欠だ。

一方で、秋季に向けて明るい判断材料も多くある。まず、ゴール前の密集からフォワードでトライを取りきるシーンが見られたことだ。昨季の4年生が抜けて大幅にメンバーが変わった中でもNO8徳永(商4)、FL廣川(環3)らを中心にしっかりと力強さを維持できている。さらには、1年生ながら出場している辻(文1)が豊富な運動量でチームを引っ張っているのも頼もしい。バックスは、4年生となり円熟味を増したSO矢川(環4)を中心にワイドに大きく展開するアタックができている。WTB佐野(法4)は一対一の勝負に強く、FB楠本(経3)の攻撃参加は相手の脅威になっている。

念願の大学日本一になるためにどのようなチームに仕上がっていくのか非常に楽しみだ。
(中山直樹)


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