今月7日に日吉記念館で行われた早慶定期戦で、慶大が4年ぶりの勝利を収めた。早慶戦勝利を春の目標としてきた慶大は、春のトーナメントでは早大に引けを取った。しかし、早慶戦に懸ける思いは強く、第3Qに早大を圧倒し、逃げ切った慶大が84―71で完勝を果たした。(中澤元)

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ミドルシュートを放つ主将の伊藤
ミドルシュートを放つ主将の伊藤

早慶定期戦は今年で72回目を迎えた。序盤から互いに気持ちのこもった攻守を見せる中で、ホームの慶大が「考えていた通り」(阪口HC)のロースコア展開に持ち込む。第3Qに早大を突き放すとそれを守り切り、84―71で勝利した。

試合は第1Qから接戦となる。慶大は大元(環3)や伊藤(環4)の二連続3Pシュートなどで先手を取るも早大も負けじと得点し、15―15で第1Qを終える。第2Qも均衡した展開だったが、インサイドで黒木(環3)が積極的なリバウンドやシュートでチームを盛り立てる。31―30と競り合うも、慶大はいい流れで前半を終える。

後半に入ると慶大が試合を動かす。伊藤のジャンプシュートや大元の3Pシュートで一気に10点差をつけると新入生のトカチョフ(環1)が持ち味のリバウンドを立て続けに奪い、第3Q終了と同時にシュートを決めるブザービーターで56―45と二桁差をつける。

最終Qは意地と意地のぶつかり合い。早大が3Pシュートや速攻で詰め寄ると、慶大もインサイド陣の奮闘で応戦し、差の詰まらない時間が続く。終盤に入ると早大は故意にファウルをすることで時間を止めるファウルゲームを仕掛ける。しかし、慶大はホームの声援に後押しされ、副将吉川(環4)・伊藤・大元がフリースローをしっかりと沈めて勝利を決定づける。最後まで白熱した伝統の一戦は慶大が逃げ切り、84―71で勝利した。

4年生は昨年まで早慶戦に未勝利だった。阪口HCは試合後「なんとしても勝たせてあげたかった」と語り、今年からチームを率いている中で「本当にうまくいった」と嬉しさと同時に、安堵感を滲ませた。また、今回は会場校として早慶戦開催に当たって奔走し、裏方としてチームを支えた朝田主務などを厚く労った。選手だけでなく、慶大バスケットボール部が一丸となって掴んだ勝利だった。試合後、大元選手は「伊藤主将を胴上げしたかった」と語り、達成感を噛み締めていた。

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