打線がつながらず苦戦した
打線がつながらず苦戦した

東京六大学野球秋季リーグ戦は中盤に差しかかった。立大戦では、20年ぶりに5回戦まで戦い、死闘の末、勝ち点を掴んだ。法大戦は投手が頑張ったものの、打線がつながらず、勝ち点を落とし、自力優勝が難しくなった。(野球部取材班)

◇立大第1戦先発竹内大意地の完投

慶大が相手のミスから生まれた好機を逃さず8―4で先勝した。四球と失策で自滅した立大に最後まで主導権を与えなかった。
慶大打線は6回まで沈黙。立大先発の岡部の変則的なフォームから繰り出す直球に差し込まれる場面が目立った。しかし、2つの四球と失策によりノーヒットで先制し、松尾(環4)のタイムリーなどで勢いを取り戻した。
投手陣は竹内(環2)が9回4失点11奪三振の完投。終盤になると疲れが見え立大打線に捕えられるも、江藤監督は「今、完投させないとリーグ後半に完投できなくなる」と続投指示。意地の完投となった。
初戦の勝利について監督は「対策はしてたけど(内容は)企業秘密」と語り、チームの仕上がりに自信を覗かせた。

◇立大第2戦福谷好投も打線が沈黙

先勝して迎えた立大との2回戦は、緊迫した投手戦の中で両チームとも最後まで得点を奪えず、結局0―0の引き分けに終わった。
慶大の先発は前回の登板で完封勝利を挙げた福谷(理2)。この日も、初回こそランナーを2人出しピンチを迎えるも、牽制で切り抜けると、それ以降は3塁を踏ませない見事なピッチングで立大打線を無失点に抑えた。福谷は「相手打線は振れているので、タイミングをずらすことが大事だと思った。今日は、それがはまってくれたので良かった」と振り返った。
一方の打線は前日に9安打8得点と当たっていたが、この日は立大先発の小室の前に散発の4安打と完璧に抑え込まれた。
◇立大第3戦伊藤本塁打もリード守れず

立大が終盤に点を加え、延長戦の末に引き分けとなった。
慶大は今季も好調を維持する4番打者伊藤の2塁打、2ラン本塁打などで先制、追加点を挙げる。
しかし、先発の竹内大、後続の福谷が点差を守り切れず、同点に追い付かれる。打線も立大のエース小室を攻略できず、12回にわたった試合を大会規定で引き分けとした。
◇立大第4戦白村乱調大量失点

20年ぶりの2試合連続引き分けの末に行われた立大との4回戦。リーグ戦初先発の白村が序盤から制球に苦しみ、大量点を奪われてしまう。
一方、打線は1回と4回にそれぞれ1点を奪ったが、その後相手投手陣を攻略出来ず、2―8で敗れた。
◇立大第5戦14回に適時打延長戦制す

第5回戦と、もつれにもつれた立大戦は、慶大が14回に及ぶ熱戦を5―3で制し、3季ぶりに立大戦で勝ち点を挙げた。
慶大は、先発竹内大が5回までに3失点を喫するも、粘りの打線で6回には同点とした。そのまま両大学はチャンスをものにできず、延長戦に突入する。
7回から登板しロングリリーフとなった福谷は延長戦以降も立大打線を翻弄。14回、山崎が適時打を放ち、高尾が犠飛で一挙2点を加えると、裏のピンチを田中が圧巻のピッチングでしめた。
◇法大第1戦加賀美崩せず初戦を落とす

慶大は投手の竹内大が好投するも、打線が法大エース加賀美を攻略できず、1―2で初戦を落とした。
この日先発した竹内大は「調子は悪くなかったと思う」と本人が言うように、3回に2点本塁打を打たれたが、その後は走者を出しても粘り強い投球で相手に得点を許さない。
一方、打線は、江藤監督が「右投手対策のため」と語ったように、スタメンが左打者7人という布陣で試合に臨んだ。それでも加賀美の質の良い直球と変化球に上手く対処できず、打線は沈黙。最終回に安打や四球で満塁のチャンスを作ったが、得点は相手捕手の敵失による1点のみとチャンスを生かせなかった。
◇法大第2戦打線精彩欠き逆転負け喫す

3―4で逆転勝利を献上し連敗。対法大カードの勝ち点を逃した。
先発投手福谷は5回を1失点と好投していたが、制球の乱れもあり、6回に立教打線の連打に捕まり一挙3失点を喫し逆転を許す。
慶大は伊藤、青山の本塁打で点を加えるも、全体としての打線のつながりを欠き惜敗。自力優勝が遠のく結果になった。