卒業飾る催しのゆくえ 求められる意識向上

2年ぶりの公式開催が予定されていた今年度園遊会の中止が全塾協議会で決議された。昨年度非公式の園遊会を主催した有志団体は現在ほとんど活動しておらず、私的催しも行われない見込み。園遊会の長年にわたる伝統は今年度、途切れることとなりそうだ。
園遊会は卒業式後に行われる卒業生の交流行事。一昨年度までは全塾協議会下部組織の卒業準備委員会が主催していた大学公認の行事で、例年3000―4000人の卒業生が参加していた。
盛大な催しの反面、卒業準備委員会による粗雑な財務管理、園遊会後の卒業生の迷惑行為などが横行。問題解決は困難と判断した全塾協議会事務局は昨年5月、卒業準備委員会を解散し、園遊会を中止することを明らかにした。
公式な園遊会の中止を受け、昨年度は有志による園遊会準備委員会が非公式に園遊会を開催。参加者は1200人強と例年の半数以下となったが、「一体感や盛り上がりは例年に引けをとらなかったと思う」と昨年度委員長の大洞翔一さん(09年卒)は話す。想定より参加者が少なかったため収支は赤字となった。赤字部分については個人責任として対応し、現在は完済しているという。
非公式の準備委員会は今年度以降の公式開催を目指したが、団体の公認には至らなかった。両者の想定する園遊会の規模や内容などに隔たりがあったことなどから、準備委員会から全塾協議会への引き継ぎなども行われなかったという。
全塾協議会は今年4月、新たに園遊会実行委員会を組織。今年度園遊会の実施に向けて準備を進めていた。しかし7月、卒業式の会場が当初予定のパシフィコ横浜から日吉記念館に変更となる可能性が浮上。会場の変動に伴い卒業式の予定全般が宙に浮き、園遊会開催のめどが立たなくなった。
園遊会の会場として当初予定していたのは舞浜のホテル。卒業式会場から遠いため、式の予定次第では卒業生が間に合わなくなる恐れがあった。ホテルの予約期限までに卒業式の詳細が確定しなかったため、実行委員会はホテルの予約を手放し、今年度園遊会の開催を断念した。
なぜ立地的に不便な場所での開催を予定していたのか。全塾協議会事務局長の若月薫さん(経4)は「一部の卒業生の迷惑行為により、ホテル業界などで園遊会の評判が悪くなっていることが原因」と答える。
近年、園遊会後に会場周辺のホテルに宿泊した卒業生による器物損壊や暴力沙汰などが問題となっていた。悪評が流れた結果、園遊会の会場を提供してくれる施設は一握り。今年度実行委員会は会場の確保に苦労し、やむを得ず遠隔地のホテルを手配する次第となったのだという。
全塾協議会は現在、来年度園遊会の開催を前向きに検討している。「卒業生の悪質な行為などの問題は看過できないが、同期生が集い学生生活最後の思い出を作るという園遊会の趣旨自体は問題ない」と若月さんは話す。大洞さんは「園遊会の実施には塾生の皆様の想いが本当に大切だと痛感している」と語る。
卒業を飾る行事の復活は塾生にとって喜ばしいことかもしれない。しかし周囲の視線は厳しいようだ。汚名返上を懸け、塾生の意識向上が求められている。
(小柳響子・田中詠美)

07年 6月 卒業準備委員会が400万円を超える負債を抱えていることが発覚。
08年 3月 07年度園遊会開催。負債の返済と不正経理の疑惑解明のため、全塾協議会事務局が運営に介入。
5月 全塾協議会事務局、08年度以降の園遊会の中止と卒業準備委員会の解散を発表。
09年 3月 有志からなる園遊会準備委員会、非公式の園遊会を開催。
4月 全塾協議会、09年度園遊会の公式開催を決定。園遊会実行委員会を設置。
7月 大学より全塾協議会に、卒業式の会場が変更となる可能性があるとの通達。
8月 園遊会実行委員会、園遊会の中止を決議。
9月 全塾協議会、園遊会の中止を正式に承認。