ウィンタースポーツ まさに芸術「氷上の舞い」

華麗なジャンプを次々と決める
華麗なジャンプを次々と決める

冬の朝、氷の上、スケート靴、音楽。メロディに乗って繰り出されるいくつもの華麗な技。ジャンプ、スピン、ステップ。それは文字通り「氷上の舞い」。そんな舞いを披露してくれたのは横井美帆さん(法3)、慶大体育会スケート部フィギュア部門の主将を務める。現在、来年の1月に行われるインカレで優勝するために日々努力している。
フィギュアスケート。今日本では、この種目がかつて無い注目を集めている。荒川静香、浅田真央など数多くの日本人選手が世界の舞台で好成績を収め、日本の一時代を築きつつある。こうして我々はフィギュアを見る機会も増え、フィギュアについての知識も深めた。しかし一方で、見ているのは一部、それも世界トップレベルの演技ばかりに過ぎない。だが我々の身近にも「慶應」の看板を背負ってフィギュアスケートに真剣に取り組んでいる人たちがいる。
慶大スケート部には三つの部門がある。スピード部門、ホッケー部門、そしてフィギュア部門。華々しいイメージのフィギュアスケートだが、体育会の中では決して花形種目とは言えない。実際フィギュア部門の人数は少なく、また各々がクラブに所属して、練習は個人で行うことが多い。全体で集まって練習するのは月に一回程度。個人行動を基本としている。
かつてはこれが原因で部に問題が生じたこともあった。時には、個人競技ということで上級者と初心者の連携が難しく、それが部内に亀裂を生じさせた。またある時は、部は大会に出場するために上級者が籍をおいておくだけの場所、というような時代もあった。
しかし、そういった過去を経て今年主将として部を引っ張る立場に立った横井さんは「ここ数年では初心者の入部も増えてきた。これからは経験者から初心者まで、もっと交流を深めチーム力というものを培っていきたい。所属する意義のある部を目指していきたい」と意気込みを語った。具体的には、最低でも週に一回の全体練習の機会を設け、実力差に関係なく出来る陸上トレーニングを増やしてく考えだ。
フィギュアスケートは特定の相手と戦うものではない。そのため慶早戦という大イベントもなく、観客が一体となって応援することもない。慶大スケート部において慶早戦が行われるのはホッケー部門のみ。フィギュア部門はその途中エキシビジョンとして演技を披露する形でしか参加できない。しかし横井さんは「これは種目柄から仕方ない。エキシビジョンを見て感動してくれる人が少しでもいれば、それは嬉しいこと」と前向きに捉えている。
フィギュアスケートの人気が集まるなか、見ることは好きでも、やることには抵抗がある人が多いのも事実である。それに対し横井さんは「フィギュアは大学に入ってから始めても上手くなれるスポーツ。憧れで終わらせないで一歩踏み出してほしい。少しでも興味があるならやってみないと」と思いを語った。
フィギュアスケートはスポーツというより芸術に近いと横井さんは話す。芸術は実際に目で見て肌で感じるもの。フィギュアスケートの世界をもっと知るために、テレビではなく、一度スケートリンクに足を運んでみるのも良いかもしれない。
目の前で見る「氷上の舞い」は本当に美しい。
(有賀真吾)