多様化する入試制度

画一的入試形態見直しの時代

時は「大学全入時代」。入学希望者総数が入学定員総数を下回るために、学生が受験をしさえすれば大学に入学することができる。学問における最高学府たる大学という教育機関で誰もが学ぶことが可能になった。しかし、大学で学ぶには入学試験による選抜をを突破しなければならない。各大学は様々な入試制度により優秀な人材の確保を図っている。ここでは私学の雄である慶應の入試制度について考えてみたい。

SFCが考案 AO入試

まず特徴的な入試制度として頭に浮かぶのはAO(アドミッションズ・オフィス)入試ではないだろうか。慶大では法学部、理工学部、総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部の5学部でAO入試を取り入れている。AO入試は1990年に創設されたSFCの2学部で初めて導入された入試形態だ。SFCがAO入試を導入したことを皮切りに、同様の入試制度を採用する大学が増加した。

IB方式の導入も

AO入試実施のパイオニアであるSFCでは現在でもその可能性を模索し続けていると言える。例えば、SFC2学部の2015年度4月入学者を対象のAO入試に国際バカロレア(IB)資格取得者または資格取得見込者を対象とした方式(IB方式)を導入することが、昨年4月に発表された。国際バカロレア資格とは、国際バカロレア機構による世界共通の大学入学資格であり、近年各国への広がりを見せている。この方式の導入で、よりグローバルな人材の確保が期待されている。

また、慶應では帰国生に対する門戸も幅広く開かれている。慶應では看護医療学部を除く全学部で帰国生入試を実施している。帰国生入試は、日本国外で教育を受けた受験生を対象に1979年より行われている入試だ。法学部においては昨年9月から、国際バカロレア資格取得者に対しても帰国生入試の枠を拡大した。

入試制度の行く末は

このように、一般入試のみならず様々な入試形態を導入することで慶應は多様な人材を確保してきた。しかし問題もある。それは近年叫ばれる「大学生の学力低下」の問題と関係している。こうした入試によって確保が見込まれる人材は、独自の強みや多様な個性を持つ一方で、学科試験による選抜をくぐり抜けてきた者と比べると学力の面では遅れをとってしまう傾向にある。
このような時代では大学側は自分達がどのような人材を欲するのか改めて吟味する必要があるだろう。受験生にとっての「大学全入時代」が終わりを迎えるのもそう遠くない話かもしれない。

このように、一般入試のみならず様々な入試形態を導入することで慶應は多様な人材を確保してきた。しかし問題もある。それは近年叫ばれる「大学生の学力低下」の問題と関係している。こうした入試によって確保が見込まれる人材は、独自の強みや多様な個性を持つ一方で、学科試験による選抜をくぐり抜けてきた者と比べると学力の面では遅れをとってしまう傾向にある。
このような時代では大学側は自分達がどのような人材を欲するのか改めて吟味する必要があるだろう。受験生にとっての「大学全入時代」が終わりを迎えるのもそう遠くない話かもしれない。