チョコに秘められた効果

さまざまな効用を持っている

バレンタインデーの贈り物として一般的なチョコレート。実はさまざまな効用を持っているということをご存知だろうか。
慶大文学部心理学専攻の教授である渡辺茂氏に、チョコレートが持つ心理的効果についてお話を伺った。渡辺教授は日本チョコレート・ココア協会のシンポジウムにおいて、チョコレートの心理的効果について論文を発表されている。
チョコレートは基本的にはカカオマス、カカオバター、砂糖が原材料であり、この中のカカオマスに含まれるさまざまな成分が総合的に作用して効果が現れる。その中でも多量に含まれているポリフェノールが抗酸化作用などのチョコレートの主な効果を引き起こすという。
渡辺教授はチョコレートの心理的作用について、ラットを用いて抗ウツ効果の標準的な検査法である強制水泳法という実験を行っている。結果はカカオを投与したラットは温湯を投与したものと比べ長く泳ぎ続け、また無動時間も短縮されていた。このことはチョコレートの抗ウツ効果の可能性を示し、別の実験では嫌悪性の軽減や不安の除去などの効果を示すような結果がでている。
このような効果を得るためには、どのタイミングでチョコレートを摂取するのが一番良いのだろうか。「チョコレートが消化器官で吸収され、それが血流にのって脳に達し効果を発揮するには約30分かかる」と渡辺教授は語る。また、摂取する量については、「実験でラットに投与したカカオマスの量を人間の量に換算すると板チョコ10枚分にものぼる。しかし、好きなだけチョコレートを食べていいという条件でヒトに対しても異なる実験を行ったところ、多い人でも板チョコ1枚程度の摂取量だったがチョコレートの効果は見られた」とのこと。
チョコレートはこのような心理的効果に加えてコレステロール値やがんの抑制、甘い香りにはドーパミンを促進させ集中力や記憶力を高めるといった身体的効果も持っている。しかし、ホワイトチョコにはポリフェノールが含まれないほか、動物性脂肪や砂糖を多く含むチョコは高カロリー食品なので取りすぎには注意したい。何気なく口にしているチョコレートだが、脳や身体にいい食べ方を考えてみてはいかがだろうか。     (安田麻里子)