入試制度見直し 法科大学院

次なる10年へ改革始動

法科大学院が日本に創設されてから10年が経つ2014年度入試(2013年実施)より、慶大法科大学院は入学試験制度を見直す。主な変更点は未修者コースと既修者コースの併願が可能になること、外国語能力証明書が必須でなくなること、配点が見直されることの3点。変更の背景には法科大学院を取り巻く厳しい環境があるようだ。次の10年に向け、原点に立ち戻り、多様な人材を法曹へと育成するための改革の一つである。(井上絵梨)
志願者数減少 受け

2014年度入試制度の大きな変更点は3つ。1つ目は未修者コースと既修者コースの試験を別日程で行い、併願可能になること。また、法学既修者コースへも学部3年から成績優秀者は「飛び級」が可能になった。 2つ目は、外国語能力の証明書提出が必須でなくなること。他方、外国語能力が優秀な者は志願者報告書で加点される。

3つ目は各科目の配点の見直しだ。法科大学院設立当時からの8年間で蓄積された、入試や大学院での成績、新司法試験の合否などの相関関係をもとにした配点になる。 また、求める人物像にかなった志願者を志願者報告書で高く評価する。国際性、学際性、先端性に優れ、21世紀を担い、社会を先導する法曹になる者を歓迎する方針。

特色ある人材を高く評価する。具体的には、外国語能力に優れ、グローバルな活躍を目指す者や理科系の大学、大学院を卒業し、その知識を活かして法曹として活躍したい者、学部でインテンシブな教育を受け、深い学識を持つ者、そして豊富な社会人経験を生かしたスペシャリストとしての法曹を目指す者などだ。

入学制度の詳細は、12月中旬に慶大法科大学院HPで発表される予定。 慶大法科大学院は開設以来、国家試験受験資格との直結を意識し、公平で透明性のある画一的な入試選抜方法を実施してきた。だが現在、法曹界での就職難などの状況を受け、入学志願者数は全国的に激減。志願者数減少や司法試験合格率低迷などから、撤退を強いられる法科大学院もある。今改めて、多様性が求められている。

改革の一環として他学部、他研究科との提携強化を目指す。すでに医学部との「先端医療と法」をテーマとした共同研究が開始され、来年度からKBSと相互に科目を提供し合い、学際性を深める試みが行われる。

また、第4の法曹と呼ばれる企業の法務部や官庁で働く法曹の育成を強化していく。さらに、法科大学院の修了生を支援する取組みも始動。司法試験後の、修習が始まるまでのギャップタームを活用し、グローバル化に向けたプロジェクトの導入の検討も開始された。