【喊声】7月号

顔は変わらないもの。でも、同時に思う。人の顔は、その人の人生経験によりいくらでも変わるものだと▼「過去も現在も全て顔に出る。だからごまかせない」と写真家の荒木経惟氏は著書『いい顔してる人』で記している。「いちばんの裸は顔だよ」と荒木氏が言うように、その人らしさやその人の人生経験は、ことの数を経るに従い、心に刻まれると同時に顔にも刻まれる▼人生で経験する素敵なこと、つらいこと、悲しいこと。その時、そこでしか味わえないもの、感じられないものを余すことなく顔に刻む。小さな幸せを感じられる柔和な顔。悲しみを乗り越えた人の凛とした顔。人それぞれが各々の経験を積み重ね、自分の顔を作り上げる。そして出来上がる、何も語らなくとも何かを語りかけるような顔▼何でもなさそうで何でもある日々から、何を想い、何を刻むのか。いいことも、悪いことも、ひとつ、ひとつ丁寧に。強さも優しさも柔らかさも。そんな、ひとつの顔にいくつもの表情が感じられる厚みのある顔。つくり出そうとしてつくり上げられるものでなく、刻み込まれたものが自然と顔から漂うような力のある顔になれればと願う。
(曽塚円)


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