慶應塾生新聞50周年に寄せてご挨拶申し上げます。

慶應義塾の伝統につながる不偏不党、客観報道、独立採算制の活動方針のもとで、かくも長く刊行を続けてこられたことに塾員の一員として敬意を表するとともに感慨深いものを感じます。

私は昭和43年に慶應義塾志木高を卒業し、昭和48年に慶應義塾大学経済学部を卒業しました。

50年前を思い起こすと私が志木高を卒業して経済学部に入学した年になります。

この長い年月の中で塾生新聞がバトンをつなぎながら伝統を維持してこられたことに改めて慶應義塾に対する誇りと愛着の念を覚えます。

私は地元の地域三田会である船橋三田会の会長を平成21年より務めさせて戴いております。今回寄稿文の機会を頂いたのもこのご縁からと拝察いたします。

さて船橋三田会では昨年設立20周年を迎えたところから記念事業の一環として“船橋三田会20周年記念DVD”を制作致しましたが、その冒頭で清家前塾長のメッセージ映像を撮らせて頂きました。

その中で清家前塾長は学校の価値の一つとして卒業生がどれ位母校を愛しているかが挙げられるのではないかと述べておられました。

船橋三田会でも“我々は慶應義塾と共にある”のモットーを会員が皆で共有していると思います。

昨年20周年記念事業のもう一つの柱として慶應義塾への寄附金活動を行いましたが、目標を上まわる金額が短期間で集まりました。今般、その寄附金を基に船橋三田会20周年記念奨学金として、船橋在住の塾生2名に奨学金が授与されることになり、本年9月に慶應義塾大学で開催された奨学金授与証交付式に参列してまいりました。

その際にスピーチをさせて頂く機会を得まして、奨学金を受給される塾生の皆様に、是非有効に奨学金を活用して欲しいし、またいつかは社会に出て奨学金を授与する側になって欲しいと述べました。
塾生新聞は不偏不党、客観報道の伝統を今日に伝える姿勢が我々塾員にとっては福澤精神を身近に感じることができる愛塾精神に溢れた新聞であると誠に誇らしく感じることができます。

これからもますます活発に取り組まれ、慶應義塾と共に歴史を刻んで行かれますことを願います。

平成30年11月
船橋三田会会長
井上 愼一

慶應塾生新聞50周年寄稿文については、こちら