「水中の格闘技」とも表現される水球。「簡単に言えば、水中で泳ぎながらゴールにシュートを入れ合う球技」。教えてくれたのは、水球部の井上翔太選手(商4)だ。

小学校で水球と出会い、高校でようやく部の門をたたいた。そこから大学4年の現在まで水球に打ち込んでいる。「水中では男同士の熱い魂やプライドのぶつけ合いがある。それがすごく男らしさを感じて、かっこいいと思っています」と自身が考える水球の魅力について語る。

井上選手は、ほとんどの試合でチーム最多得点を記録し、名実ともに慶大のエースとして活躍している。エースとしてのプレッシャーについて「自分の中では、エースとは考えずに、チームが勝利をするために何をしなければいけないかを常に考えています。プレッシャーを感じた方が自分のやる気にもつながるから、自分の中ではプレッシャーは良い方向に働いていると思います」。井上選手のエースたるゆえんが垣間見える。

水球において強いチームとは、「全員がどこからでもシュートが打てて、得点力があって泳ぐ力もある、とにかくバランスの取れたチーム」なのだそう。それに対し慶大は、「比較的泳げる人が多いが、実力差がありバランスが取れているとは言えない」と分析する。

7月1日には、早慶対抗戦が開催される。小学生から慶應にいる井上選手は、早慶戦に誰よりも強い思い入れを持っているという。

しかし、早慶対抗戦において慶大は25年間、勝利から遠ざかっている。26年ぶりの勝利へ向けて井上選手は、「今までは、ただ練習を頑張るだけという感じだった。自分が大学に入った時期から、質の向上に向けてミーティングを始めた。早大や自分たち自身の分析をする中で、早大との差は縮まってきた」と語る。最後には「今年は絶対勝てると思うので、ぜひ多くの人に見に来てもらいたい」と力強く意気込んだ。

(鈴木里実)

第90回早慶対抗水上競技大会〈水球競技〉

2018年7月1日(日)13時40分~
東京辰巳国際水泳場(東京都江東区)