慶應塾生新聞会 三田オフィス
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喊声 2017年12月号 「うまく」生きる

この頃寒い。温かいものを求めたくなる季節だ。立ち食いそばなんかも手軽に温かいものを食べられるので重宝する。

立ち食いそばといえば普通のそば屋にない奇抜なメニューが多々見られる。かけそばの上にコロッケが乗せられた「コロッケそば」もその一つだ。

「パンに挟まれるのでもなく、おまんまのおかずでもなく、そばの上だなんて」。落語家の柳家喬太郎さんが演目「時そば」のまくらにてそばに乗せられたコロッケの気持ちを代弁している。よく考えるととんでもない組み合わせ。だからこそコロッケの叫びは聞く者の笑いを誘う。

思いもよらぬところに乗ってしまうのは人も同じだ。進学、就職など人生の節目で自分の期待に反して、想像もしないところに行きつくことがある。

理由は様々だ。自分のせいのこともあれば、不運なだけかもしれない。いずれにせよ不本意であっても逃げたり、投げ出したりはできない。

ならば行きついた先でどう「うまさ」を出していくかが大切だろう。人がコロッケと違うのは「うまさ」を自分で作り出せることだ。

どんなところに行きついても「うまく」生き、ときには自分の境遇を笑いの種にできる人でありたい。
(藤咲智也)