慶應塾生新聞会 三田オフィス
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慶大生一斉アンケート「18歳選挙権」 導入を考える

今年6月、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が施行され、7月の参議院選挙で初めて10代の有権者が誕生した。この社会の大きな変化を、10代、20代の慶大生はどう捉えるのか。

慶大生投票率は74‌.6%

7月の参議院選挙で投票所に行きましたか
7月の参議院選挙で投票所に行きましたか
今回、選挙権年齢が「満18歳以上」に引き下げられたことで、「若い世代が政治に関心を持つようになる」、「若者の声が政治に反映されるようになる」といった期待が多く寄せられていた。しかし、実際の選挙結果はどうだっただろうか。

一般の投票率は、前回の52.6%から54.7%と約2ポイント上昇したものの、前々回及び前々々回の参議院選の投票率には届いていない。

一方、慶大生の投票率はどうだったのか。

「7月の参議院選挙で投票所に行きましたか」という質問に対して、「行った」と回答したのは全体の74.6‌%、「行っていない」が25.4%。一般投票率と比べると、かなり高くなっている。

10代の投票率はどうだったのか。10代一般の投票率に目を向けてみると、45.5‌%と過半数にも満たない水準であった。この投票率は、20代の35.6%、30代の44.4%に次ぐ低さだ。

慶大生10代の投票率は75.6%。内訳は、18歳が73%、19歳が73.1%と、一般と比べれば依然として高い結果となった。

慶大生の有権者意識は高い

10代の投票率45.45%について
10代の投票率45.45%について
最近、選挙に関する話題が世界的ブームとなっている。6月には英国でEU離脱の是非を問う「国民投票」が行われた。また今月8日はアメリカ合衆国大統領選挙の投票日である。日本も例外ではない。「憲法改正」「国民投票」「一票の格差」など、「決め方」に対するの社会的関心が高まっている。

慶大生は同世代の投票率について、どのような認識を持ったのか。「10代の投票率が45.45%だと知っていましたか」という質問に対して、約6割の塾生が「知っていた」と回答し、同世代の投票動向に対する関心の高さが伺わせた。

この投票率への慶大生の評価は分かれる。この数値を「低い」と答えた割合と「妥当だ」と答えた割合はともに4割程度。「高い」と答えた割合は2割を切った。

日吉キャンパスに期日前投票所設置

参議院選挙では7月4日と5日の2日間にわたって、慶大学日吉キャンパス協生館内に期日前投票所が設置された。投票所は選挙権年齢の引き下げに伴い、学生を含む有権者の投票率の上昇を目的として設置された。投票は、塾内の有権者のみでなく一般の有権者でも可能であった。キャンパス内に期日前投票所が設置させていたことを知っていた塾生は、全体の28.3%となった。高い投票率実現には投票所の認知が不可欠だ。

日本の政治は変わるか

18歳から選挙権を与えることで日本の政治は変わると思いますか
18歳から選挙権を与えることで日本の政治は変わると思いますか
新しい制度は政治に変革をもたらすのか。

「18歳から選挙権を与えることで日本の政治は変わると思いますか」という質問に対する全体の回答を見ると、「変わらない」が30.3%、「変わる」が26%と、前者が若干多くなっている。今回の選挙に行ったか否かで場合分けしてもこの順序は変わらない。「18歳選挙権」にあまり効果を期待されていないらしい。

しかし、それでも投票に赴いた慶大生、特に10代の塾生が一定数存在することを思い出したい。投票に意味がないと感じるならそもそも投票しないはずだ。この制度は間違いなく若者を惹きつけている。長い目で見れば、日本の政治は変わっていくだろう。



18歳選挙権導入により、政治への関心は高まりましたか
18歳選挙権導入により、政治への関心は高まりましたか
では、若者の政治への関心はどう変化したのだろう。

「18歳選挙権導入により、政治への関心は高まりましたか」という質問に対して、6割以上の塾生が「変わらない」と回答。塾生の8割近くが投票所に行ったという事実を鑑みれば、もとから慶大生の政治的関心は低くはないと解釈できる。

しかし、10代や20代の低投票率を全体で見てみると、若者の政治に対する関心が「高まった」と断言することはできない。

なぜ、若者は選挙に行かないのか。「休日の日曜日に、わざわざ選挙所に足を運ぶのは面倒くさい」、「投票したところで、自分の一票では結果は変わらない」そういった声をよく耳にする。

政治家も、若者の票を獲得する為に彼らに向けた政策を打ち出そうとする。

「政治家が若年層に向けた政策や方針を打ち出したという印象はありましたか」の項目では、全体のちょうど2割が「あった」、8割が「なかった」と答えた。若年層に向けた政治家たちの思いはほとんど慶大生に届いていない結果となった。

この傾向が続けば、政治家は自らの当選のために、より投票所に足を運ぶ高齢者層向けの政策を一層打ち出すようになってしまう。

高齢者世代という圧倒的多数が存在する現代日本社会において、若者が「決め方」の場から疎外感を覚え、足が遠のくのは当然なのかもしれない。


【アンケート概要】慶大学部生を対象に、ウェブアンケート方式で実施。集計期間は10月8日から10月30日で、有効回答数は465だった。回答者の今年7月参議院選挙時の年齢は、18歳が63、19歳が109、20歳が154、21歳が95、22歳が31、23歳以上が12。また、回答者の学部は文学部、経済学部、法学部、商学部、医学部、理工学部、総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部、薬学部の順に184、62、104、35、30、34、5、3、3、5だった。