組織論に新概念

生命型組織論を展開する高木氏

「配るマネジメント」を説明
慶大ビジネス・スクール(KBS)が主催する公開講座シリーズの第3回目が先月24日、慶大三田キャンパス北館ホールで開かれた。今回は「プロフェッショナルマネジャーの仕事はたった1つ」と題し、慶大大学院経営管理研究科の教授である高木晴夫氏が登壇した。
本講座は2部構成で行われ、第1部は本講座と同タイトルの高木氏の著書、『プロフェッショナルマネジャーの仕事はたった1つ』の紹介。第2部では自身の研究領域である組織論を語った。
まず高木氏はいままでの組織は分業制であると指摘。複雑で大きい業務を要素に分けて組み合わせる要素還元主義型の組織であると分析した。そして病院の例を挙げながら、要素還元主義型の組織は各部分ごとの最適さを基準にして部署や課を設置するため、必ずしも全体にとって最適ではないと述べた。
また、要素還元主義は組織を物質に見立てているが、現実の組織は物質と人間の両方で成立している。人間や社会は物質とは違い、相互に関わり合い初めて存在や存続が可能になるため、要素還元型思考だけでなく、人間や社会に根ざした生命型思考が必要であると説いた。
そして高木氏は生命型思考に基づく活動として、「定住して加工する」「流動する」「自己と他とその関係を認識して手を加える」の3つを挙げた。その全ては「配る」という言葉に含まれるとした上で、生命型組織理論に裏付けられた「配るマネジメント」という概念を提起した。
最後に、高木氏は今後の研究テーマとして「要素還元型と生命型のどのようなバランスが企業の持続的成長をもたらすか」と「終身雇用を継続したまま、最適バランスを構築できるのか」の2点を挙げ講義を締めくくった。