
夏休みも終わりを迎え、インターンや企業分析など、就活を本格的に取り組み始めた23卒の慶大生も多いだろう。そんな慶大生に有用な就活情報を届けるべく、ダイヤモンド・ヒューマンリソース様の協力のもと、3回にわたり企業座談会企画が実現した。
第3弾座談会は、総合商社として132年の歴史を持つ兼松。食品分野では大豆ミートや冷凍食品、その他、航空宇宙分野や電子デバイス分野など多くの分野にまたがって世界で活躍している。今回は兼松の新卒採用担当である、櫻井さんに兼松の内部について詳しくお話を聞いた。座談会には、慶大生のAさん(文学部3年)、Bさん(商学部3年)、Cさん(商学部3年)、Dさん(法学部政治学科1年)の4名が座談会に参加した。
D:まずは現在のコロナ禍について、兼松にはどのような影響がありましたか?
櫻井さん:働き方は大きく変わりましたね。コロナ以前は全員毎日オフィスに出社して業務にあたっていました。また、フレックス勤務制度においても10時から15時のコアタイムを設けて行っていました。しかしコロナの影響を受け、弊社では昨年より在宅勤務を制度化し、緊急事態宣言が発令された場合は政府の要請通り出社7割減を達成できるようになりました。フルフレックス勤務制度は、今年の4月からフルフレックス勤務制度となり、コアタイムを撤廃した形で働けるようになりました。
櫻井さん:また、ビジネス上のやり取りに関しては、良い点と悪い点両方がありました。
良い点としては、オンラインミーティングを活用して今まで出張に使っていた費用や時間を有効に使えるようになったことが挙げられます。
コロナ前は、商談などの大切な話を、直接会わないで行うことは考えられませんでした。しかし、実際にオンラインでやってみると意外とできるとわかり、片道12時間かかることもよくあった移動の時間を、有効に使えるようになったのは大きいですね。また、同時にペーパーレス化や電子化も進み、来年に控えた丸の内への移転を促進させました。
ですが、オンライン化が発展した一方で、人が商材であり、人との繋がりを大事にしてきた商社にとっては、今までの当たり前が通じない状況になりました。各部署において、オンラインでも商売の質を下げないようにあらゆる施策を練らざるを得なくなりました。
Aさん:櫻井さんの入社のきっかけなどはありますか?
櫻井さん:率直に申しますと、雰囲気と人柄に惹かれたからですね。
私は国立大学の建築学科を卒業し、その後イギリスの大学院に進学、都市計画を専攻していました。どちらも国立の大学ということもあり、100人以下のコミュニティで縦横の繋がりが強いことが特徴でした。また、私の人生にとって、留学も含めて自分がやってみたいということを両親や教授など周囲の人が後押ししてくれた環境があったことは、大切なことでした。
そのため、組織の一員として自分の意見をしっかりと言うことができ、挑戦したいことを後押ししてくれるような環境がある企業を求めて就職活動をしていました。
当初は建築を学んだ経験から、不動産デベロッパーを視野に入れていました。しかし、都市計画を学ぶために通い始めたイギリスの大学院で、多種多様なバックグラウンドを持つ人々と共に勉強やディスカッションをするなどしたことで、私の視野は大きく広がりました。
こうした経験から、多様なバックグラウンドを持つ人がいる会社を視野に入れて考え、その中で商社に興味を持ちました。商社はあらゆる商材・人材が集まる場所であり、その中に私の建築学という視野が増えたら、ということを考えて商社を見ていきました。
Aさん:やはり兼松には多様な社員さんがいらっしゃるのですね
櫻井さん:そうですね。兼松には多様な人がいます。入社の動機も様々で、商社の仕事に魅力を感じた人や、兼松の「若手から裁量を持って仕事ができる環境」を求めてくる人もいます。
Cさん:入社するにあたり、決め手、印象に残っているエピソードなどありますか?
櫻井さん:私が海外の大学院にいたこともあり、就職活動はなかなか難しいものがありました。
そんな折、兼松を見つけて、説明会に行った時に聞いた一人の社員の話が、とても印象に残っています。
その方は、入社一年目で社内のダイバーシティに課題を感じ、ダイバーシティ選考という海外大の生徒や留学生を対象とした選考を確立させた、という話でした。
その話を聞いて、兼松の掲げているものに嘘がないのだと驚きました。例えば若手の裁量や少数精鋭を掲げている企業は多くありますが、その具体例・エピソードを話せる企業はそれほど多くはないと思います。
また一年目から採用主担当という話は聞いたことがありませんでした。そうしたことから「兼松だったらやってみたいことができるのではないか」と興味を持ち始めました。
Cさん:一年目から採用主担当というのはすごいですね
櫻井さん:そうですね。私も入社半年でその方からダイバーシティ選考の主担当を引き継いだので、身をもって若手の裁量の大きさを実感しています。
(次ページ: 若手が働きやすい職場 女性社員へのサポート)
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