企画

塾生が発信する”メンタルヘルスのこと”

「精神疾患や発達障害を抱える人が直面している現状を変えたい」

こう語るのは、NeBA(Never Be Alone)プロジェクト山西櫻子さん(環1)と杉山翠さん(総1)だ。NeBAは、山西さんが高校3年生の時、「少しでも多くの人に精神疾患・発達障害・メンタルヘルスについて伝えたい」という思いから立ち上げたプロジェクト。

今年9月にはウェブサイトNeBA Mediaを開設し、現在は情報発信をメインに活動している。

プロジェクト立ち上げの経緯や、活動にかける思いについて、2人に話を聞いた。

 

当事者としての「体験」と「抱いた思い」が活動の原点に

NeBAプロジェクトの山西櫻子さん(右)と杉山翠さん(左)

2人はともに、精神疾患や発達障害の“当事者”。NeBAプロジェクトの立ち上げには、自身の体験や思いが大きく影響しているという。

 

--NeBAプロジェクトの立ち上げにつながる体験や、そこで抱いた思いを教えてください。

山西:私は、家族の仕事の都合でアメリカの高校に通っていたのですが、日本でいう高校3年生のときに、母親を亡くしました。その結果、ショックで鬱病になってしまったんです。加えて、以前から抱えていたADHD(注意欠陥・多動性障害)の症状も悪化して、学校に通うことができなくなってしまいました。そんな時、アメリカでは、カウンセラーや自助団体の方が助けてくれたり、精神科医からは服薬をやめるように言われたりしました(薬に依存した生活になると同時に、薬の耐性が付いて効果が減少してしまうため)。精神疾患があることを普通に話せるし、恥ずかしく思う必要もないし、社会的な抑圧もほとんどありませんでした。これが当たり前だと思っていたのですが、日本に帰国すると、服薬に頼る治療や、カウンセリングの予約が取れないといった現状を目の当たりにしました。とても衝撃を受けたし、こんな日本の現状を変えたいと思うようになりました。

杉山:私は、生まれつき自閉症スペクトラム症を抱えていました。でも、周囲の人には全く気付いてもらえなくて、自分が自閉症だと知ったのは高校生の時でした。自閉症の影響で、不登校や自殺未遂を経験したこともあります。母親は最近まで、私の発達障害についての話を全くしてくれませんでした。精神疾患についての理解がもっと広まれば、学校や社会で二次障害(もともと抱えている障害によって、日常生活における身体的・精神的な症状や問題行動などが現れること)に苦しむ人を減らせるのではないかと気付き、情報を発信したいと考えるようになりました。

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