蒸し暑いある日の昼。待ち合わせ時刻ギリギリに到着した筆者は、彼女の姿を目にするや否や、さらに心臓の鼓動が速くなるのを感じた。汗ばむ額をぬぐいながら席に座ると、彼女はさりげなく椅子をこちらに寄せてほほ笑んだ。これは吊り橋効果などではない。一瞬にして「くぎ付けになる」という言葉の意味を筆者に教えてくれた彼女こそが、齋藤万里子さんである。

文学部に所属し、教育学を専攻している。教育格差に関心を持ち、インターンに参加するなど精力的に活動している。「人の心にいちばん近くに触れるから、教育は本当に大事だと思う」。熱く語る万里子さんの瞳は、筆者をまっすぐに見つめながら煌めいていた。

また、メディア・コミュニケーション研究所に所属し、ジャーナリズムの勉強をしている。将来の夢はアナウンサーになること。実際にメディアについて深く勉強してみると、悩むことも多々あるという。「あこがれや情熱だけじゃダメなんだなって」。ひたむきに、それでいて謙虚に夢を語る万里子さんの姿はただただまぶしかった。




しっかりとした自分の考えを持っている一方で、「性格診断をやってみたら、直感が99パーセントだったの」と笑う万里子さん。恋愛についても、一目ぼれの経験があるという。「内側からみなぎるパワー」のようなものについ吸い寄せられてしまうそうだ。実際その直感通りに、「芯を強く持っていて、何かに一生懸命な人」を好きになっているという。好きなことにはまっしぐらな万里子さんだからこそ、お互いに情熱をぶつけあう関係が心地よいのであろう。

さらに踏み込んで、「男子から攻めてほしいか、自分から攻めたいか」と質問してみた。気になる答えはこうだ。「どっちもいやだな。磁石のようにひかれあう関係が理想だから」。なるほど、万里子さんとS極とN極の関係になってみたいものである。

中間試験も近いこの季節。男子と一緒に勉強するときについて聞いたところ、「教育について熱く語っちゃうから、引かれちゃうこともあるかな」と気にしている様子であった。決して、そんなことはないと言おう。何かに夢中になっている女性は、美しい。確固たる意思を持つだけでなく、さらなる目標を追い求める姿勢は緩むことがない。好きなことを楽しそうに語るその笑顔を、いつまでも見つめていたいと思った。到底、試験勉強どころではなくなってしまうが。

(8月号頑張れ)

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撮影:長瀬巨海