名作探訪の記事一覧
【名作探訪】舞城王太郎『煙か土か食い物』2004年 講談社文庫
舞城王太郎『煙か土か食い物』
講談社文庫 2004年
10年代の幕が開けた今月をもって、名作探訪は最終回を迎える。新しい時代を切り開くエネルギーを秘めた作品を紹介したい。『煙か土か食い物』、舞城王太郎のデビ
【名作探訪】『24人のビリー・ミリガン』 ダニエル・キイス 1999年 早川書房
1977年10月、アメリカ・オハイオ州で連続レイプ事件は起こった。被疑者は22歳の青年ビリー・ミリガン。証拠も揃っていた。居所も捕捉した。ところが事件は思わぬ展開を見せる。ビリーは一つの肉体に複数の人格が宿る解離性同一
『24人のビリー・ミリガン』 ダニエル・キイス 1999年 早川書房
1977年10月、アメリカ・オハイオ州で連続レイプ事件は起こった。被疑者は22歳の青年ビリー・ミリガン。証拠も揃っていた。居所も捕捉した。ところが事件は思わぬ展開を見せる。ビリーは一つの肉体に複数の人格が宿る解離性同一
【名作探訪】谷崎潤一郎『痴人の愛』1947年 新潮文庫
〈一人の少女を友達にして、朝夕彼女の発育のさまを眺めながら、明るく晴れやかに、云わば遊びのような気分で、一軒の家に住むと云うことは、正式の家庭を作るのとは違った、又格別の興味があるように思えました〉
28歳
【名作探訪】2004年 講談社文庫初出「群像」1997年5月号~2000年11月号(98年12月号、99年1月号除く)
今月の名作探訪は高橋源一郎『日本文学盛衰史』を紹介する。
あらすじを書くことは野暮に思えるが、とにかく小説は二葉亭四迷の最期から始まる。言文一致体を創るという偉業を成しながらも迷い続けた彼の姿と、その死
【名作探訪】ジョージ・オーウェル『一九八四年』2009年 ハヤカワepi文庫
村上春樹『1Q84』が空前の売れ行きを見せている。そのタイトルや内容から、60年前に書かれたジョージ・オーウェルのある作品を想定して書かれていることは明らかだ。今月は、折しも早川書房から新訳が刊行された『一九八四
【名作探訪】中上健次『十九歳のジェイコブ』 2006年 角川文庫
1992年、一人の作家が死んだ。中上健次、46歳の若さだった。
日本文学の流れの中で極めて重要な役割を背負っていた中上だが、今現在、一般読者への浸透率は高くはないだろう。今月は彼の『十九歳のジェイコブ』を紹介す
【名作探訪】初出 1996年8月『文學界』町田康『くっすん大黒』 2002年 文春文庫
今月の名作探訪は町田康の小説家処女作『くっすん大黒』を取り上げる。
働くことが嫌になり、毎日酒を飲んで自堕落な生活を送る楠木正行。妻は出て行き、金も尽きる。かといってどうするわけでもなくだらだらするわけ
【名作探訪】 『妊娠カレンダー』 小川洋子 1994年 文春文庫
名作探訪で始めて紹介する女性作家となる、小川洋子の「妊娠カレンダー」。芥川賞受賞作品だ。
妊娠を控えた姉と妹の〈わたし〉。妊娠という現象に心身共に翻弄される姉を観察しながら、〈わたし〉の意識はその体内で
【名作探訪】『ピアニシモ』 辻仁成 1990年 集英社文庫
第6期を迎える名作探訪。今期から90年代にスポットをあてていく。
何故90年代なのか。話はまずそこからだ。
2009年、今年はついにゼロ(00)年代最後の年となる。9・11アメリカ同時多発テロに象徴されるように、21世紀 [...]
【名作探訪】『死の棘』島尾敏雄~1981年 新潮文庫
新年の幕開けだ。何かが新しく始まることは即ち、それまでの何かが終わることを意味する。英語のlastという語が、「終わり」を意味すると同時に「続く」という動詞の意味を持つように、「始まり」と「終わり」は断続する
『どくとるマンボウ医局記』北杜夫 1995年 中公文庫~初出 1993年 中央公論社(現 中央公論新社)
2008年最後の名作探訪は北杜夫の『どくとるマンボウ医局記』を紹介する。
このエッセイは、北が慶應大学病院神経科で助手をしていた時代を振り返り書いたものだ。彼の自由奔放にしてブラックユーモアに富んだ文章が、50
【名作探訪】三島由紀夫『禁色』 1964年 新潮文庫
今期、集中的にその作品を紹介している「第三の新人」たち。彼らが文壇に登場したのは昭和20年代後半であるが、同世代には三島由紀夫がいる。『仮面の告白』で一気に注目を浴びた彼は、その後海外でも高い評価を得たよう
【名作探訪】阿川弘之『春の城』~1955年 新潮文庫(初出 1952年 新潮社)
米国金融の話ではないが、あらゆることが起こり得る。フィクションの様な出来事が実現してしまう現代社会。事実は小説よりも予測不可能なものである。
太平洋戦争から既に60年以上が経つ。それは徐々に江戸幕府成立
【名作探訪】庄野潤三『プールサイド小景』~1965年 新潮文庫
平日の朝。
朝の通勤ラッシュに辟易しながら駅のホームを足早に歩く。二段飛ばしで階段を昇り、鞄の中からIC定期券を取り出す。改札機の列に並び、人の流れに乗りながら定期券をカードリーダにかざした。
ピ
【名作探訪】遠藤周作『深い河』1993年 講談社
6月8日。日本犯罪史に少なからざる紙数を持って記録されるであろう惨劇が起こった。秋葉原通り魔事件である。
当日の夕方、私はテレビでこの事件を知った。自分の耳を疑った。映画か何かだと思った。世界を支える芯
【名作探訪】吉行淳之介『美少女』 ~1975年 新潮文庫
新潮文庫から出ている『蟹工船・党生活者』(小林多喜二)が異例の売れ行きとなっている。きっかけはどうであれ、小説の価値が掘り起こされるのは望ましい。
今年の始め、吉行淳之介『美少女』が新潮文庫で復刊と
【名作探訪】安岡章太郎「悪い仲間」 ~1953年 講談社文芸文庫 収録 初出「群像」昭和26・6
昭和26年、『三田文学』に『ガラスの靴』が発表された。「第三の新人」の1人、安岡章太郎の出世作である。今月は彼の芥川賞受賞作『悪い仲間』を紹介する。
大学予科に進学して最初の夏、主人公の「僕」は藤井高麗彦
【名作探訪】『抱擁家族』小島信夫~1965年 講談社文芸文庫
名作探訪もついに第4期へと突入する。今回から趣向を変えて、いわゆる「第三の新人」と呼ばれた作家達の作品を集中的に紹介していく。
戦後に登場し、芥川賞を次々と受賞したが、昨今ではほとんど知られなくなった
【名作探訪 】『グレート・ギャツビー』1925年 フィッツジェラルド(中央公論新社)
極彩色のイルミネーションに彩られた街。12月。世にクリスマスムード漂う季節である。カップル達は浮き足立ち、お互いに愛を囁きあう。
一つの愛を獲得するために、盲目的に突き進んだ男がいる。名はジェイ・ギャツ

