昨年11月19日、平成19年公認会計士試験の合格発表が行われた。慶應義塾出身の合格者は411人で、33年連続大学別合格者数1位であった。

 19年合格者は前年の224人に比べ、約2倍増となっている。受験者数自体に大きな変化はなく、合格率が上昇している状態だ。この現象について、義塾会計研究室室長黒川教授は「来年以降は例年並みの難易度に戻る可能性がある」と述べた。今年の合格率が継続するとしても1、2年に過ぎないだろうという。合格者が増加したとしても就職先は容易には増加しない。すると、試験に合格したにも関わらず、就職が出来ない可能性が増加する。また、合格者全体の質の低下も問われることになる。従って、合格率が上がった状態が今後も継続するとは考えにくい。今年度はやや易化したものの、再び狭き門に戻る見通しである。

 動向が変化しても義塾の1位の座は今年も不動であった。黒川教授は義塾出身者の合格率が高い理由として入学制度を挙げた。一般入試では商・経済学部では数学を課しているため、文系学生に数学的センスを持った学生を内在しているという。内部進学の学生は大学受験で疲弊していない分、資格取得のための勉強に早くから取り組みやすい傾向があるという。