2017年7月23日

慶應塾生新聞会 三田オフィス
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授業で疑似体験~議会のあり方を考える

 現在の国会は与党の参院選敗北により「ねじれ国会」と言われる状態に陥っている。国民不在で政治が混迷する今こそ、議会の在り方について考える時ではないか。

 湘南藤沢キャンパスの憲法(統治)では、授業の一環として「模範議会」という試みが行われている。これは国会審議をロールプレイ方式で疑似体験するもので、参加者は政府・議員の役割に分かれ、3カ月近く、用意された法案についての勉強を重ね、質疑に向けた準備を行う。本番では実際の国会審議さながらのやりとりが繰り広げられ、委員会審議の後には、履修者全員による本会議採決が行われる。この模範議会の沿革、意義について同授業担当者の岡田順太非常勤講師、担当SAの鈴木浩文氏(総2)に取材を行った。

 模範議会は企画、考想を含めると今年で5年目。もともとは、憲法に関して法律・政策論争を行うゼミであったのを、より実践的な討論の形式に発展させたものだ。その原型は参議院で行われている「特別体験プログラム」。元々は小・中学生対象で、台本を読むだけの簡単なものだが、岡田講師は大学生用に参加者自身が原稿を用意して、あたかも本当に法律・政策論争をやっているかのようにするスタイルに変えた。

 参議院議員秘書の経験を持つ岡田講師は模範議会について「国政に関わろうとすると様々なことを勉強する必要がある。国家統治の学問である憲法学の実践の場でもあり、模範議会はSFC生にとって格好の教材といえる。明治13年に日本で初めて議事演習会という模擬議会を実施したのは慶應義塾であり、模範議会は古くて新しい試みでもある。様々な利害を抜きに、議会審議の質を高める方策を模索し、議会制民主主義のあるべき姿を社会に示したい。多くの理解者を得て、長く継続させることが重要」と語った。

 取材に同席した鈴木氏は「参加することに意義がある。多くの人間が関わるので、意見衝突などの対応に苦慮したが、終わってみれば皆良い経験ができたと満足している。前年履修者のサポートがありがたかった」と話した。先日は、履修者で国会見学に行ったそうだ

 模擬裁判というのは巷でよく行われているが、国会質疑・答弁を体験できる場は珍しい。議会が如何にあるべきかを考える機会を与える模範議会は、今の国会の現状を見れば必要なものである。

(遠藤和希)