誰もが憧れ、大学生活で一度は経験しようとする海外旅行。海外旅行に行く際、頭を悩ませることがある。ツアーにすべきか、それとも一人で気ままに旅行すべきか。今回、フランスへ異なる旅行プランで訪れた二人の旅行記を掲載する。参考になれば幸いである。

時差12時間。初めての海外旅行でフランスを訪れた。

春休みを利用して海外旅行に行く学生は多い。個人旅行に比べてツアー旅行は、特に女性にとって手軽で安心な方法だろう。本紙記者も今回、ツアー旅行でフランスへ行った。ツアー旅行の良い点は面倒な手続きがほとんどいらないことだ。航空券だけでなく、交通手段や宿泊場所も現地に着いた時には既に決まっているため頭を悩ませる必要もない。

またツアー旅行の場合、友人と一緒に申し込む場合が多いためか、和気藹々としていた。まるで修学旅行のような雰囲気を大学生になってから味わえるのが魅力だ。

しかし、旅の終盤に少し不満を覚えた。先程、面倒な手続きがいらないことがツアー旅行の長所だと述べた。しかし、「その面倒さこそ旅の醍醐味ではないだろうか」と思い始めた。ガイドブックを片手に観光地や名所を巡っているうちに、自分は本当にフランスにいるのだろうかという不安に駆られてくる。確かに今、自分は異国の地にいる。スーパーでは自分の拙いフランス語が通じず困ったり、観光客相手の土産屋が無理やりミサンガを売りつけようと手首をつかんではなさなかったりして、日本では出来ない体験をした。まわりから聞こえてくるのは日本語ではない。しかし、これでいいのだろうかという漠然とした不安に駆られる。

「またどこかに旅に行こう」。そう思った。旅行を通じて得たものは、新たな旅への入り口だった。

(川上典子)

パック旅行は宿泊ホテルまでのガイドはあるが、それ以降は放置である。時間に縛られたくない本紙記者は、パリに一人で旅行してきた。

日本人の一人歩きはとにかく目立ち、詐欺やスリの格好の餌食。特にパリの北側は新宿歌舞伎町のような歓楽街で、治安が悪い。本紙記者もモンマルトル付近で黒人のミサンガ売りに騙されそうになった。また、ルーブル美術館などの有名な観光スポット付近でも同様のことがあったので、常に警戒していなければいけない。

言葉の壁も厚い。パリ市内は想像以上に英語が通用しない。記者のように「英語で適当にごまかそう」なんて考えていたら痛い目を見る。道に迷ったり、鉄道を間違えたり……。人と話すのが怖くなるのだ。そうなると、買い物や食事も楽しめない。

ネガティブなことばかり挙げたが、楽しいことも沢山ある。というより、一人旅での困難は旅の魅力を高めるスパイスになると信じたい。ヴェルサイユ宮殿など、よく聞く名勝地を「大変だったけれど来てよかった」と心から堪能することが出来たことは、そこまでの騙されそうになったりした経験のおかげだと思うからだ。

紆余曲折というのは大袈裟かもしれないが、多くの人を魅了する旅の魅力はそこにあるのだろう。

(松本理平)