33年ぶりに学費体系を改正 ~09年度入学生から 実質的に値上げ

学校法人慶應義塾は、1976年度に適用を始めた現行学費体系を見直し、33年ぶりに新しい体系を創設して2009年度の大学部入学生から適用することを発表した。これによる授業料の引き上げ、入学金の引き下げ、在籍基本料の新設等の結果、文系4学部における4年間の納入学費は値上げとなる。

(富永真樹)

 今回の見直しを行った背景として、義塾側は主に教育研究の高度化やグローバル化への対応を挙げている。グローバル社会のリーダー育成と、そのための教育研究基盤の充実・強化を目指すとともに、グローバルな競争のもとで国際的により開かれた学塾となるため、分かりやすい学費体系と質の高い教育・高度な研究成果の学生への還元が求められているという。また、前回の学費改定から33年が経過し、教育環境の整備・充実の実態を反映しなくなりつつある現行学費体系を、より実態に即した体系に近づける意図もあるようだ。

 新たな学費体系では、入学金全廃の第一歩として入学金を現行の34万円から20万円に引き下げる。それに代わり、学生のキャンパスライフ支援・充実を学費項目として明確にするため、「在籍基本料」の新設や、教育環境の整備充実に対応した「施設設備費」の適正化と「授業料」の設定、つまり値上げが行われる。また、7つに細分化されている現行学費項目は、入学金、在籍基本料、授業料、施設設備費、実験実習費といった5項目へ整理統合が行われるが、各学費項目に基準となるスライド倍率を適用して次年度学費を決定するスライド制は維持する方針だ。

 これらに加え、学生支援にも新しい取り組みを導入する。第一に、従来の制度に加えて設置される学生生活支援。2008年から、受験生が進学の選択肢を広げられるよう、主に首都圏以外の出身者の学生生活支援を目的とする家賃補助制度を創設し支給を開始する。また、創立150年記念事業の一環として作られた「未来先導基金」の一部を奨学金に割り当て、留学生を対象とした新しい奨学金の支給を始める。さらに2009年度からは主に大学学部生対象の奨学金新設も予定している。第二に、体験的学習支援。新しい学費体系導入に合わせ、留学・休学中の授業料等免除制度を整備.拡充し、海外留学、インターンシップ、ボランティア等の体験学習機会へのアクセスを向上させる。

 なお、2008年9月までの入学者は現在の学費体系が適用される。また、薬学部における新たな学費体系の導入は現在検討中だ。


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