ゴール下に攻め込む蛯名
ゴール下に攻め込む蛯名
9月3日、代々木第二体育館で第87回関東大学バスケットボールリーグ戦が開幕した。上級生中心のチームで準優勝した昨年とは異なり、下級生中心のチーム構成である今年の慶大。初戦は大東大に見事な逆転勝利を収めたが、続く早大、明大、筑波大にまさかの3連敗。リーグ成績は1勝3敗となり、リーグ優勝を狙う慶大にはかなり厳しい幕開けとなった。(鈴木優人・中野結貴)
【大東大戦 雪辱果たす劇的逆転勝利】
リーグ戦初戦は春のトーナメントで敗れた大東大との対戦。慶大は92ー86で大東大を下し、リーグ戦優勝に向けて順調な滑り出しを見せた。
序盤、慶大は大東大のテンポ良いオフェンスに苦戦する。ディフェンスがうまく機能しない慶大に対し、外、中とバランスよく攻める大東大。矢嶋(総2)が奮闘するも、両者の差は開いていき、前半終了時には36―49と13点もの差が開いた。
後半に入り、流れを変えたい慶大はオールコートプレスを仕掛ける。すると、慶大は粘り強いディフェンスで連続スティール。蛯名(法2)、矢嶋の連続得点で4点差まで詰め寄る。
第4Q、伊藤(環1)のフリースローで同点とすると、すぐに家冶(環4)の3Pシュートでこの試合初めてのリードを奪う。その後も家冶がここ一番の勝負強さでダメ押しのシュートを決め、慶大は92―86で逆転勝利を収めた。
【早大戦 勢い保てず 手痛い一敗】
リーグ第2戦。慶大は宿敵早大に80―89で敗れ、リーグ戦成績を1勝1敗とした。
6月に行われた早慶定期戦に続き今年度2度目の対戦。定期戦では30点近くの大差で負けているため、慶大のこの試合にかける思いは強かった。
序盤、「絶対に負けたくないという気持ちで試合に臨んだ」と語った主将・家冶(環4)、矢嶋(環2)が活躍し、シーソーゲームとなる。慶大は速攻中心の勢いのあるオフェンスに加え、強いプレッシャーのディフェンスで流れをものにする。その後、蛯名(法2)のバスケットカウントで突き放すと、47―40で前半を折り返した。
後半に入り早大の反撃が始まる。慶大は定期戦でも苦戦した早大の久保田を止めることができず、ファウルトラブルに陥る。さらに前半流れを呼び込んだディフェンスが機能しない。それでも終盤、伊藤(環1)、家冶のフリースローで4点差まで詰め寄り、流れは慶大に。しかし、早大・玉井のスリーポイントで万事休す。慶大は80―89で敗れた。
試合後、「最後の2分間を走りきることができない。ケアレスミスが多かった」と佐々木ヘッドコーチは語った。
【明大戦 逆転するも最後に力負け】
リーグ戦も3戦目。慶大は序盤からリードを許し、62―69で明大に敗れた。
前半、明大の力強いプレーに圧され、慶大はなかなかシュートを決めることができない。しかし、桂(法3)の3Pシュートで流れは慶大に。さらに、中嶋(総2)、本橋(環2)、家治(環4)、伊藤(環1)がフリースローを着実に決め、じわじわと追い上げを見せる。その後明大のオフェンスが停滞すると、慶大は26―32で前半を折り返した。
勢いの出てきた第3Q。慶大は主将・家冶の活躍でついに逆転する。さらに慶大は次々と得点し、このまま勝利へと突き進むかと思われた。
しかし、明暗を分ける第4Qで明大に3Pシュートを許してしまい、慶大は一気に突き放される。結局、慶大は明大優勢の流れを断ち切ることができず、62―69で試合終了。慶大にとって痛い1敗となった。
試合後、佐々木ヘッドコーチは「粒はそろっている。今後の試合に期待」と語った。
【筑波大戦 下級生奮起も反撃届かず】
前日の明大戦に敗れ、慶大の成績は1勝2敗。もう負けられない慶大は、大型ガード田渡を擁する筑波大と対戦。結果、慶大は70―79で筑波大に敗れた。
序盤、慶大はミスを連発し、筑波大に10点ものリードを許す。しかし、吉川(環1)を投入するとディフェンスから良い流れが生まれ、慶大の反撃が始まる。
第2Qに入っても慶大の勢いは衰えず、蛯名(法2)、桂(法3)が加点していく。その後、筑波大も再び盛り返し、31―35で前半を折り返した。
後半、慶大は固いディフェンスを展開し流れを掴むと、筑波大に1点差と迫る。しかし慶大の反撃もそこまで。慶大は筑波大のテンポのよいオフェンスを止めることができず、点差は最大17点に。結局、最後まで筑波大優勢の流れは変わらず、70―79で試合終了した。
下級生の活躍が特に目立ったこの試合。「まだガードが若い」(佐々木ヘッドコーチ)という言葉が語るように、ガード陣が一旦掴んだ流れを40分間維持できていない場面が多かった。次週以降も続くリーグ戦で慶大が躍進するためには、ガード陣の成長が必須であろう。