8月に入りいよいよ夏本番。今年の夏は節電によるキャンパス内の冷房の温度制限などもあり、例年にない暑さの中で今まで以上に気をつけたいのが、「夏バテ」だ。「夏バテ」は激しい温度差や不規則な生活によって引き起こされる。予防には、体温調節、十分な睡眠の確保、水分補給、3度の食事が不可欠だ。

そこで今回は、暑さに負けない健康な体を内面からつくるために、「食事」の面から塾生の健康を考えていきたい。お話を伺ったのは、日吉生協食堂「遊遊キッチン」の永井克直店長。

まずは、夏に人気の学食メニューを伺った。「やはり夏は冷たいものが人気です。冷やし坦々麺、サラダ冷やしうどん、冷やしぶっかけうどんなどさらっと食べられるものがよく出ます」と、暑い夏は皆どうしても冷たいものが食べたくなるそうだ。夏期に学食を利用する人の約8割は冷たいメニューを頼むという。夏限定だからこそ注文する塾生も多いのかもしれない。

しかし、冷たいものばかり摂取しては体が冷えてしまい代謝が悪くなるため健康によくない。温かいものを意識的に取り入れていくことも必要だ。特に生姜、わさび、しそ、ねぎ、唐辛子など香辛料を含むものを食べると体内から温まり代謝が活性化するという。学食ではカレーやマーボー茄子など程よく辛さの効いたメニューも用意している。

そのほかにどのような食材を摂取すればよいかも伺うと、「豚肉、レバー、豆腐、納豆などビタミンB1・B2を多く含むものやトマト、かぼちゃ、ゴーヤなどの夏野菜、またクエン酸を含む酢の物、梅干しなどが体にはいい」と教えてくれた。ビタミンB1・B2は糖質をエネルギーに変える助けをし、クエン酸は疲労回復に効果がある。学食にはこれらの材料を使った丼ものや炒め物、惣菜もあるので上手く利用すれば健康の維持に効果的だ。

体質や健康状態は人によって異なるため、「体にいい食事」を一概に定義することはできない。しかし、大事なのは栄養素が偏らないようバランスの取れた食生活を心掛けることだ。学食のメニューは1皿の栄養価やカロリーを十分に計算した上で考案されているため、単品のメニューをさまざまに組み合わせることでより理想的な食事を実現することができる。「レジで渡されるレシートには栄養素の点数が表示されているので、短い休憩の合間などに少しでもレシートを見て自分の食事を気にかける習慣をつけてほしい」と永井店長は語った。

自分でバランスのよい食生活を保つことはなかなか難しい。ぜひ学食を活用したり、夏バテに効果的な栄養素を取り入れた献立を作ったりすることで夏に負けない健康な体作りをしてみてはいかがだろうか。

(清水咲菜)