春。期待と喜びで胸いっぱいのなか、イチョウ並木を歩く新入生。
 しかし、新たな環境に一抹の不安を感じる人もいるだろう。地方から上京してきた新入生はなおさらだ。そんな新入生のために慶大には「全国慶應学生会連盟」という地方別の学生会が存在する。
 北海道出身の高田謙甫さん(法3)は慶應に入学し、地元とのギャップを大いに感じたという。「上京した時、地元とは全く違う世界だなと感じました。人の多さはもちろん、雪が降らないことにまで驚きました。その反面、慶大にはさまざまなことにチャレンジしている人がいて、地元とは違った刺激を貰いました」。しかし、高田さんは言う。「一人暮らしをしていると唐突に地元が恋しくなり、寂しさが襲ってくる。そういう時には地元が同じの友人と飲んだりします。地元を感じられるという意味で北海道学生会に入ってよかったと思います」。
 新たにやってくる者もいれば、慶大という学び舎を去る者もいる。仲の良かった友人と卒業、就職を機に疎遠になってしまうのではという不安を抱えている人も少なくないのではないか。
 

毎年、大勢の塾員が集う慶應連合三田会
毎年、大勢の塾員が集う慶應連合三田会
卒業した塾員の同窓会組織『三田会』を包括する慶應連合三田会にはさまざまな三田会が存在し、卒業後も交流を深めようと多くの塾員が集う。卒業年度別・サークルごとはもちろん、『霞が関三田会』や『宇宙三田会』など、職種や趣味別にも別れ、数多とある三田会。今回はハワイアン三田会の事務局長を務める前野秀郎さんにお話を伺った。
 「卒業しても慶應のつながりは強い」と前野さん。前野さんは塾生時代に始めたハワイアンバンドを、三田会で今も続けている。「趣味の世界があるから仕事もできる。なんでもアドバイスしてくれる先輩や同期がいます。三田会に入って人脈が広がりましたね」。 また、「毎年開催するハワイアン三田会のパーティーには、卒業以来会ってなかったような友人が来てくれていたりする。他のサークルの方が楽器を会場に運んでジャズを演奏して下さったりもします」と慶大生の絆の強さを表すようなエピソードも披露した。前野さんはこう続ける。「三田会に入ってよかった。先輩はとても親切。私たちも後輩に親切にすることによって『良いつながり』を受け継いでいきたい」。
 入学後も、卒業後も繋がりを大切にする慶大。新たな環境に飛び込むと地元や旧友との関係がついおざなりになりがちだが、末長く関係を大切にしようとするのは慶大生の強みではないか。助け合い、支えあう。慶大の『絆』がそこにはある。
       (米田円)