MVPを獲得した山浦
MVPを獲得した山浦

第61回早慶サッカー定期戦が先月25日、東京の国立競技場にて開催された。2―0で慶大が快勝し、2年連続早慶定期戦勝利を果たした。慶大は終始試合を支配し、前半、後半に1点ずつ奪い早大を圧倒した。また、第34回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの関東代表決定戦では、専大、中大に連勝し、慶大は12年ぶりに本戦の出場を決めた。 (野々山智文・井上史隆)

早慶定期戦
山浦が先制MVP獲得

 1万2000人の観衆が詰めかけた第61回早慶サッカー定期戦は、終始試合を圧倒した慶大が2―0で早大に勝利した。
 前期リーグ戦を8位で終えた慶大は「試合の入り方は良くなかった」という三上主将(政4)の言葉の通り、序盤は試合運びに苦労する。しかし、ロングボールを多用する早大に対し、前線でパスをつなぐ慶大が徐々に試合を支配していく。
 前半29分、ペナルティエリア付近で得たFKをMF山浦(商2)が無回転シュートでゴール右隅に叩き込み、慶大が待望の先取点を奪う。その後も幾度もゴールへ迫り、慶大が完全にペースを握ったまま前半を折り返す。
 後半開始早々、慶大が追加点を挙げる。後半5分、DF田中(環3)が挙げたボールをDF黄(総3)が折り返し、MF加美(環4)がゴールへ流し込んだ。早大は選手交代で流れを変えようとするが、最後まで三上を中心に集中力を切らさず守り切った慶大が2年連続の定期戦勝利を挙げた。
 MVPには、先制点となるFKを決めた山浦が選ばれた。
 試合後、李監督は「今年のチームは先取点を取れるかどうか。定期戦はリーグ戦と違って特別なものがあり、皆の笑顔が見られ良かった」と語った。
 三上主将は「本当に嬉しい。定期戦は背負うものがある試合。勝って色んな人に恩返しという気持ちで戦った」と話し、山浦も「MVPは嬉しかった。でも勝てたこと、4年生の喜ぶ姿を見る方が嬉しかったかもしれない」と感謝の気持ちを口にした。
 後半戦へ向けて監督は「まず落ちないこと。さらに4位以内(インカレ出場圏内)を目指したい」と決意を示した。

総理大臣杯
2連勝で予選通過

総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦で慶大は専大と中大に連勝し、12年ぶりの出場を決めた。
 2部リーグで首位に立つ専大を迎えた初戦では、前半はペースを握られるも、無失点で切り抜ける。
 後半に入ると徐々にパスが回りだし、60分に川久保(政4)、75分には笠松(総3)がゴールを決めて2―0で勝利した。
 代表の座をかけた中大戦は、専大戦とは反対に立ち上がりから主導権を握り、前半18分に先制。
 そのまま慶大の時間帯が続いたが、決めきれずにいると、後半14分に混戦からこぼれ球を押し込まれて同点とされる。
 中大が攻め続ける中、後半37分にFW森田を投入。迎えた後半44分、カウンターからその森田が決勝ゴールを叩き込み、劇的な勝利を収めた。
 なお、河井(政3)はこの2試合で3アシストと活躍し、慶大の出場権獲得に大きく貢献した。