去季、関東リーグ2部から1部へと這い上がり、勢いそのまま第60回全日本大学バスケットボール選手権記念大会(インカレ)優勝を果たした慶大。佐々木ヘッドコーチのもと、選手たちはインカレ連覇を掲げ、今季を迎えた。
慶大は5月に開催された第58回関東大学バスケットボール選手権大会(関東トーナメント)を制し、最高のかたちで今季をスタートする。
しかし、トーナメント直後の第67回早慶バスケットボール定期戦。慶大は2部リーグの早稲田相手に敗北を喫した。インカレ連覇に照準を合わせていたはずの歯車が、少しずつ狂い始める。
続く第85回関東大学バスケットボールリーグ戦(関東リーグ)では、慶大は日大に及ばず準優勝。結局インカレでも決勝で日大に敗れ、慶大の目標としていたインカレ連覇はならなかった。
インカレ後、佐々木ヘッドコーチは今後の課題に「バックアップの育成」を挙げた。去季インカレ優勝時の主力を4人もスタメンに残す今季の慶大は、控え選手の育成に手をつけなかったのである。
ところが、リーグ戦、インカレともに、充実した控え選手を擁する日大の前に涙をのんだ。年間を通じて各大学のチーム力が上がったシーズン終盤、もはやスタメンだけの力で勝ちきるのは困難となっていた証拠だった。
チームの総合力で勝ちきるためには、スタメンとバックアップのバランスのとれた選手育成こそ、今後の慶大の課題となってくるであろう。
また、来季は、1年時より試合に出場しているガードの二ノ宮(環3)、フォアードの酒井(環3)、センターの岩下(総3)の3人が最高学年を迎えるシーズンとなる。
近年稀にみるハイレベルなバスケットが繰り広げられる、1部リーグ。そのコート上で、技術的、精神的にも成熟した3人が、いかなるラスト・ダンスをみせるか。
来季も慶應義塾体育会バスケットボール部から、ますます目が離せない。