第14回慶應医学賞が米ロックフェラー大学教授のジェフリー・M・フリードマン博士と国立循環器病センター研究所長の寒川賢治博士に贈られた。授賞式・受賞記念講演会は12月4日、信濃町キャンパス北里講堂で行われた。
今回の授与は、フリードマン氏の「レプチンの発見とその生理作用の解明」、及び寒川氏の「グレリンを中心とする新規生理活性ペプチドの発見と臨床への応用」に対するもの。2氏の研究はそれぞれ過食・拒食の治療での貢献が期待される。
講演会でフリードマン氏は「肥満の人がなぜ多く食べるのか」と問題提起したうえで、あるレプチンの欠陥が過食を引き起こし、肥満の一因となることを解説した。
寒川氏は強力な摂食促進作用を持つペプチドの一種であるグレリンを発見した経緯を説明。「これからも未知のペプチドへの探求を続けていきたい」と述べた。
慶應医学賞は故坂口光洋氏の寄付による慶應義塾医学振興基金の事業の一環。受賞者には賞状とメダル、賞金2000万円が贈られる。