10月27日、オランダのバルケネンデ首相が三田キャンパスに来校し、慶應義塾より名誉博士の称号を授与された。
義塾は、その起源が蘭学塾であるなどオランダとは深い関わりにある。また2008年と2009年は、それぞれ日蘭修好通商条約締結から150周年、徳川家康がオランダのオラニエ公マウリッツに通商許可を出した1609年から起算して400周年を迎える「日本オランダ年」にあたる。こうした歴史的背景やヒューマニティ・倫理の分野におけるバルケネンデ首相個人の業績をふまえ、名誉博士称号授与が決まった。
式典のスピーチにおいてバルケネンデ首相は、「世界中で社会が均衡を失っている」と指摘。「日本とオランダは状況を好転させる一助になれる」と述べたうえで、福澤諭吉の『文明論之概略』から「云く、文明とは人の身を安楽にして心を高尚にするを云ふなり、衣食を饒(ゆたか)にして人品(じんぴん)を貴くするを云ふなり」と引用し、講演を締めくくった。