変わる慶應  記者の視点

今、三田キャンパスの中庭に光が差し込んできている。南校舎の工事が進んでいるためだ。
これまで三田キャンパスの中庭は、第一校舎、メディアセンター、大学院棟、南校舎の四つの建造物によって四方を取り囲まれていた。それに加えて慶應のシンボルの一つである大銀杏の存在も、中庭の日照を遮るものであった。良い悪いの議論をするつもりはないが、日吉での生活を終えて三田キャンパスに来る学生から「三田は暗い」「なんだかどんよりしている」と言った意見をよく聞いていた。なるほど、三田での生活に慣れた頃に久しぶりに日吉に行くと、入学時の新鮮な記憶と、次世代の息吹に混ざって、並木道に校舎の明るさを感じる。
そんな暗いイメージを持たれるキャンパスに光が入り込むようになったのが今年の夏から。今年度のはじめは、今まで通り南校舎にて学事センターや学生総合センターがあり、通常通り機能していたが、履修申告期間が終わり、少ししてから事務所が他の建物に移るようになった。そして前期期末試験期間には工事用の白いシートに覆われ、夏休み中には約半世紀の間正門にて凛々しくしていた建造物は姿を消した。
現在中庭からは晴れた日に綺麗な青空が広がり、夕方には夕焼けも確認しやすくなった。中庭から正門の方向を見ると、高層ビルをはじめ、三田の街並みがよく見える。逆に正門の前から校舎の方に目を向けると、大銀杏の上に顔を出す東京タワーも確認出来る。今までにない新しい三田の景色である。
しかし、この景色もあと少しで見られなくなってしまう。2011年3月には新しい校舎、未来先導館(仮)が完成するためだ。今見える景色は期間限定のものなのだ。我々の学生生活と同様、今しか見られないこの景色を、しっかりと意識して眼に焼き付けておきたいと思うところだ。
(石川智成)


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