法務省司法試験委員会は9月10日、法科大学院修了者を対象とする2009年新司法試験の合格者を発表した。慶大の合格者数は147人で、大学別では東大、中央大に次いで3位。合格率は46・4%。慶大では合格者数、合格率ともに前年を下回る結果となった。
全体では前年より22人少ない2043人が合格。新制度の開始以降初めて全体の合格者数が減少した。
全体の合格率は前年より約5ポイント低い27・6%で過去最低を更新し、初めて2割台に低下した。
政府は法曹人口拡大のため、2010年までに合格者を年3000人に増やす方針を示していたが、達成は困難とみられている。
慶大の合格者数は前年比18人減少、合格率は前年を約10ポイント下回った。法務研究科委員長補佐の北居功教授は慶大の合格者数減少の要因について「全体で合格者数が減っている流れに慶大も呑まれてしまった結果」と説明している。
新制度の開始以来、法学部出身者が多数を占める「既修者コース」と法学部以外の学部出身者や社会人が多い「未修者コース」の格差が問題となっている。全体の合格率は、既修者コースが38・7%であるのに対し、未修者コースは18・9%で初めて2割を切った。
慶大では今回未修者コースの合格率が上昇したが、依然未修者と既修者の間の合格率の開きは大きい。北居教授は「文部科学省の示唆を受けて来年4月以降、未修者コースで科目を6単位増設するなど、未修者への教育体制の充実化を一層図りたい」と述べている。
新司法試験は2006年より始まり、今年で4回目となる。今回は法科大学院全74校が参加。前年は3校で合格者が0人となったが、今年は全ての大学で合格者が出た。