第44回全国大学ラグビーフットボール選手権大会で蹴球部が優勝した00年以来の決勝進出を果たした。12日に国立競技場で行われる決勝戦では39年ぶりに早大との対戦となる。また、大学選手権2位以上が確定したため、2月末から行われる第45回日本ラグビーフットボール選手権大会の出場を決めた。
 
 
大体大戦
【慶大72―5大体大】

 大学選手権の初戦、慶大は対抗戦での不安を払拭する戦いで大体大を下した。
 「大体大はモールになると強いので相手のラインアウトを作らないように」という林監督の指示通り、慶大は開始20分間大体大にラインアウトを取らせずに一気に4トライを奪う。完全に主導権を握った慶大は、キックに頼らざるを得なくなった大体大の攻撃を持ち味の低いタックルで封じ、WTB山田(総 4)の4トライなど、72得点で完勝した。
 試合後、副将のCTB中浜(総4)は「監督が戦術を立ててくれたので戦いやすかった。非常にいい試合ができた」と振り返った。林監督は「低いタックル、体を張ったディフェンスができていた。試合の入り方もよかったし、対抗戦がいい負け方ではなかったので勝ててほっとしている」と笑顔が絶えなかった。
 
 
東海大戦
【慶大28―14東海大】

 リーグ戦王者の東海大に挑戦する試合であったが、慶大は1回戦での勢いを持続させていた。前半3分、WTB出雲(総3)が抜け出してトライを決め、先制する。一旦は追いつかれるが、前半ロスタイム、FL山崎(政4)が押し込み勝ち越して折り返す。
 後半は16分までに2トライで21点差としたものの、残り20分は東海大の攻撃に防戦一方となる。何度もゴール直前まで攻め込まれるが、1トライに抑え、6年ぶりの「正月越え」を果たした。
 林監督は「対抗戦では明治、早稲田と試合の入り方が悪かったが、今日はいい入り方ができた。最後も選手は28―21で終わるより自信になったのではないか。1カ月前に比べて選手が良くなってきた」と評価した。
 次戦は今季2度引き分けている明大との対戦となるが中浜は「(主将の)金井が決勝戦にはぎりぎり間に合うだろうから国立の舞台に立たせてあげたい」と語った。
 
 
明大戦
【慶大34―27明大】

 前半、慶大は山田が攻撃の起点となり明大の守備陣を崩してCTB増田(環1)らが4トライを奪い18点リードして折り返す。
 だが後半は一転して明大伝統の重いスクラム、モールに耐える時間が長くなる。金井(商4)、加藤(環4)と主力を欠いたFW陣は反則を繰り返しトライを許すが、前半のリードを守り切り、今季2度引き分けていた明大との決着をつけた。
 中浜副将は「対抗戦の時からFWをチームの中心にしてきた結果。BKとFWのバランスが良くなった。金井の怪我があってからチームが一丸となっている」と全体での勝利を強調した。
 前回優勝した00年にヘッドコーチだった林監督は「ロスタイムになっても勝ちを確信できなかった」と本音を漏らした一方、「対抗戦の時に比べると選手に自信がついた」と決勝戦への手ごたえを口にした。
 試合を重ねるごとにチーム状態が良くなっている慶大。決勝で対戦する早大は対抗戦4位の帝京大に辛勝した。現在のチーム状況を考えると慶大の勝機は十分にあると言える。