単純計算で全3年生が各々2回参加するとも言われる業界講演会。毎秋、各業界のトップを走る企業の方が講演するとあって、就職活動を目の前にした3年生はもちろん、1、2年生の間でもその知名度は高い。
この不況のご時世、就職活動に対する関心は更なる高まりをみせるが、業界講演会は一体いかなる可能性を提供しているのであろうか。
「業界講演会でしか得られないことがある。そこに行けば何か新しいことに巡り合えるかもしれない。そういった期待に応えられるような場を提供したい」
業界講演会を主催する全塾ゼミナール委員会委員長の清水恵介さんはこう語る。
企業主催の会社説明会は、人材確保のために自社有利の説明が大半を占め、業界の内実が分かりづらい。学校主催の説明会といえば、多種多様な学生のニーズを反映しにくい。
就職活動をサポートする機会があるとはいえ、学生各々にとって満足のいく機会は非常に限られている。ならば学生である自分達が学生目線を取り入れた機会を提供できないものか。こうした想いで業界講演会は成り立つ。
研究会を通して実施されるアンケートから学生の生の声を把握。それを基に講演会が学生の要望に即したものとなるよう形づくる。そして、企業に講演依頼を仰ぐのだが、採用情報に特化した講演はご遠慮頂くようお願いをする。
「就職活動に直結することを追い求めるのでなく、自らの将来性やビジョンを創造するきっかけを大切にしたい」
就職活動に対し即効性ばかりを求めるのでなく、あくまでも業界の全体像、業界ごとの魅力や深さを掴んだ上で自分にとっての方向性を見出してほしいという想いである。
業界講演会は、講演者が業界の説明や現状を語る第1部から各々の学生の疑問に応えるための質疑応答がなされる第2部へと続く。これは、講演会を企業側の一方通行で終わらせることなく、企業と学生が行き来できる関係を目指すため。
また講演会を開催するにあたり、企業と学生、両者に距離感を感じさせない環境づくりにも配慮する。
講演会終了後、廊下で自らの想いや疑問を直接企業の方に話す学生。企業と学生の距離間をなくすことで、両者の結びつきが実現できるよう接点を取り持つこともあるようだ。
今年の業界講演会のスローガンは、『人生をサイコーせよ』。「再考」することで「最高」になってほしいという。もともと自分のビジョンが定まっている人も改めて一歩引いたところから考えてみる。そうすることで、既にある興味の裏付け、更には新たな可能性に気付く。そしてそれはまた、自分にとっての「最高」の場をみつけることに繋がるという想いが込められている。
人からの刺激は大きいもの。ましてや、一個人では会うことの難しい人との出会いはなおさら貴重なものである。興味のある業界はもちろん、興味外の業界の人と接することで得られる新たな面白みや発見など、想定外の可能性をも掴んでほしい。食わず嫌いで逃すことなく、この機会をぜひ活用してみてはいかがだろうか。
(曽塚円)

講演日程

月日 講演企業
9/29 三菱商事
10/1 マッキンゼー・アンド・カンパニー
10/3 リクルート 13時~
P&G   15時~
資生堂   17時~
10/5   サントリー
10/7   JR東日本
10/13 三井不動産
10/15 日経新聞
10/16 商船三井★
10/19 オリエンタルランド
10/21 モルガン・スタンレー
10/22 三菱東京UFJ銀行
10/23 NTTドコモ★
10/26 東京電力
10/27 IMF、OECD、世界銀行
10/28 SONY
10/29 電通
10/30 JTB★
11/5   テレビ朝日★
11/6   東京海上日動火災保険★
11/9  ANA(全日空)
11/12  LVMH
(モエヘネシー・ルイヴィトン)
11/13 野村證券★
11/16 特別講演
~人気業界の先輩が語る本音~
11/30 特別講演
藤巻兄弟 藤巻健史氏、幸夫氏

場所:三田キャンパス西校舎ホール
(★の日のみ西校舎531教室)

時間:開場 18時
開演 18時15分
閉演 19時45分
(10/3は13時から3企業が講演)
*事前予約なし
*どなたでも無料で参加可能