東京六大学野球秋季リーグ戦は10月7日までに第5週を終了した。開幕カードの立大から勝ち点を奪った塾野球部は明大、東大に勝利し、早大と並んで首位に立った。14日現在、東大の20季連続最下位が確定し、慶大、早大、明大の3大学に優勝の可能性が残されている。優勝は勝ち点の多いチームで、勝ち点が並んだ場合は勝率で決定される。
 
 
慶明第一戦
 3点を追う9回表、松尾卓(環2)が相手の失策で出塁すると、続く梶本(環2)が安打。その後、川崎恭(商4)が四球で満塁とした。ここで相場監督が「切り札」と語る、青山(環1)を代打に送った。これが功を奏し、適時打を放ち1点を返すと、青池(環4)、宮田(環4)の連続安打で2点を挙げ、追いついた。その裏、相澤(経3)が明大打線を3者連続空振り三振に切ってとり、引き分けに持ち込んだ。
 9回の攻撃について相場監督は「青山が打って流れに乗った」。宮田主将は「チームのムードが良かった。積極的に振りにいけた」と振り返った。
 
 
慶明第二戦
 行き詰る投手戦は見ごたえ十分であった。慶大先発の中林(商2)は「これからの課題」というように終盤に疲れを見せピンチを招いたが、明大打線を3安打無失点に抑え、リリーフした相澤、加藤(環4)もそれに続いた。
 8回2死1、2塁の場面で小道が相澤から安打を放った際に本塁を狙った2塁走者を、青池がセンターから完璧な返球で刺し、同点を防いだ。この守備は試合の一番の見せ場であり、勝因となった。青池は自身のプレーを「ランナーも速かったが(刺せて)嬉しかった」と振り返った。
 打線の調子が気になるものの、このように緊迫した試合を落とさなければ優勝の可能性は十分にあるだろう。
 
 
慶明第四戦
 中1日での先発となった中林は「疲れがあり調子は最悪だった」と制球に苦しみ、毎回のように得点圏に走者を背負う。序盤は明大の拙攻に助けられ無失点で切り抜けたが、5回に先制を許した。追う展開となった6回、1死1塁で打席に入った漆畑(商2)がレフトスタンドに逆転2ランを放ち逆転した。「あのホームランで気持ちが楽になった」と中林は8回まで投げ1失点と好投した。
 漆畑も本塁打を含む2安打を放った。高校時代にセンバツでベスト8に進出した「塾高コンビ」の活躍が4日間の死闘にけりをつけた。
 
 
慶東第一戦
 早くも7試合目の登板となった先発・加藤は、明大戦の疲れからか本来の出来ではなく7回で9安打を浴びた。相場監督は「よく(バットを)振れていて、よく打つな」と東大打線を評したが、一方の慶大打線は堅さが目立った。右打者の右方向への凡打が多く見られ、12安打の東大より少ない9安打。この試合では東大の守備の乱れもあり5得点を挙げられたが、法大、早大戦に多くの課題を残した。