会話が接客の重要な部分を占める仕事がある。

近所のお店を教えてもらったり、話すことでリラックスしたりした経験のある人もいるだろう。

その仕事とは、美容師である。都内で美容師をするオギノミワコさんに、会話という接客について話を聞いた。

 

心の面でもすっきりしてもらう接客

「学校や仕事、家庭の愚痴など、『お話を聞いてほしい!』と言って来店されるお客様が多いので、心の面もすっきりしていただけたらな、と思っています」とオギノさん。

苦手なお客様や、話が合わない、伝わらないお客様はいるものの、それは自分の引き出しの少なさゆえの問題だと思い、もっと努力しようと思うのだという。

 

初対面でお客様のタイプを見極める

「初めてご来店いただいたお客様とのファーストコンタクトは、笑顔で明るくハキハキと自分の名前を言うこと」。その後、髪型やどんな雰囲気にしたいかなど、話さなければならないことを話しつつ、お客様のタイプを見分ける。早く終わらせてほしいタイプや、写真を持ってきて希望がしっかりとある慎重派タイプなど、様々なタイプを見極め、接客の仕方を変えるのだという。

 

自信を持って話す

「自信がない人に施術をされたくないだろう」と考えるオギノさんは、自信を持つことを心がけている。

流行に気をつけるよりも、自分を持つことが大事だと思っています。具体的には、話の内容や施術がブレブレだと不安になるお客様は多いです。お客様に不安を与えないためにも自信は必要だと思っています」。

 

日々、情報収集をする

美容師の仕事の一環に、情報収集や話のネタを集めることがあるとオギノさんは考える。どのようなお客様の話にも対応できるように、「流行には敏感にならなければいけないし、話の引き出しは常にパンパンにしておかないとなって思っています」。

また、情報収集は美容室でもできることだという。「お客様から流行のお店や場所を教えていただくこともとても多く、教えていただいたらその場所にはできるだけ行くようにしています」。

 

お客様の話を覚える

同じ人に何度も同じ話をすると、自分と話したことを覚えていないのかなと思われてしまう。美容師であるオギノさんは、より一層このことに気をつけている。

「どんな施術をしたか、どんな薬を使ったかなどを記録するところに、どこにお出かけしたか、好きな芸能人は誰か、最近どのようなことにハマっているかなどのお客様のお話を記録しています」。

 

ありのままで話す

会話で接客をするものの、特別な話し方をするわけではない。「もちろん、言葉遣いには気を使いますが、褒めたければ褒めるし、褒めたくなければ褒めません。お客様との距離が近い分、嘘は見破られてしまうので、ありのままでお話しさせていただいています」。

 

会話という接客には、相手に寄り添い、努力することが重要である。相手がどのように話してほしいかを考え、話を引き出す。そのために情報を集め、相手の話を覚える努力をする。同時に、自信を持つことも忘れてはならない。

美容師の接客には、普段の会話に活かせるヒントが隠されているのではないだろうか。

(松尾美那実)