6月22日、国立競技場で第58回早慶サッカー定期戦が行われた。1部4位の早大に対し0―0で引き分け、後期のリーグ戦での1部昇格に期待が持てる結果となった。通算成績は慶大の11勝29敗18分。MVPには早大の鈴木修人選手が選ばれた。

(谷翔太朗)

 降りしきる雨の中、試合は始まった。前年は早大相手に0―5と大敗しながらも、今年は関東大学サッカーリーグ前期戦を2部首位で折り返した慶大。期待が高まる中でのキックオフだった。

 前半は慶大ペースで幕を開ける。力強いプレスで早大の選手にプレッシャーを掛け、仕事らしい仕事をさせない。またロングボール主体の早大は滑るグラウンドのためにパスミスを連発。逆に慶大は軽快にボールを回し、じわじわと早大陣地へと攻め込み始める。15分には慶大がこの試合初めてのシュートを放つが、ゴールには結びつかなかった。早大も負けじと17分、右サイドから慶大のディフェンスをいい形で崩し、センタリング。最後はユニバーシアード日本代表の経験もある兵藤があわせようとするも、トラップが流れて慶大は事なきを得た。20分には慶大が最大のチャンスを迎える。大河(商3)が早大ペナルティーエリア中央付近からシュートを放つがポストの右側を掠めていった。

 このプレー以降、前半立ち上がりからの激しいプレスで体力を消耗していた慶大の選手が兵藤と鈴木のポジションチェンジについていけなくなる場面が目立ち始め、徐々に試合の主導権を早大に奪われる。しかしバックラインが踏ん張り、前半を無失点で抑えた。

 後半も早大ペースで始まるが、慶大も徐々にペースを取り戻し始める。8分にはフリーキックからエリア内に放り込まれたボールを、三輪(法2)がディフェンスの間に強引に割って入り狙うなど、慶大は積極的な攻撃を見せる。

 再び慶大に傾きかけた流れを変えるべく早大は選手交代を行う。スピードのある松本、前田を立て続けに投入すると、流れは一気に早大側へ。40分を過ぎた頃からは慶大は防戦一方だった。それでも43分、竹田(経3)に変わってピッチに入っていた巻(法3)がフリーキックから直接ゴールを狙う。ポスト右へ惜しくもはずしたが、慶大に息を吹き返させるには十分だった。残り4分弱は一進一退の攻防が続いたが引き分けに終わった。

 試合後冨田主将は、「今の自分たちの力を十分出せた。1部でもやっていけるという自信になった」とコメントを残した。また李監督も「われわれが今やるべきサッカーをやれた。体力面など課題はあるが、内容は後期のリーグ戦につながるものだった」と満足げに語った。

 なおソッカー部は9月8日から関東大学リーグ1部昇格を目指し、後期のリーグ戦に挑む。