2月7日、文学部の自主講座「震災を見届ける―東日本大震災後の社会と心」の活動の一環として、慶大生8人と慶大文学部教授3人が、福島第一原発を視察し、廃炉の現場に潜入した。

 

視察の概要

まず、福島県富岡町の東京電力廃炉資料館にて、事故や廃炉作業に関する展示を見学した。その後、福島第一原発に入り、構内をバスで約1時間視察、廃炉の最前線を目の当たりにした。

昼食後、福島給食センターを視察し、廃炉の最前線における「食」の事情について学んだ。最後に、廃炉資料館にて、教授・学生陣と東京電力の担当者との間で、活発な質疑応答が交わされた。

 

安藤寿康教授インタビュー

この講座は、今年度より三田キャンパスで授業化される。担当する文学部の安藤寿康教授(教育心理学)に話を聞いた。

慶大文学部 安藤寿康教授

―原発視察の経緯は
文学部では、2013年から継続的に宮城県石巻市を訪れてきたが、今年からは福島県も訪問する。震災について考える上で、福島第一原発の現状を知ることは欠かせないと考えている。

―原発視察の感想は
いわば「負の遺産」である福島第一原発。マイナスをゼロに戻す、という途方もない作業に、毎日約4000人もの人々が携わっているという現状に心が大きく揺さぶられた。

―授業の概要について
毎週の授業では、震災に関するドキュメンタリーの鑑賞や、ゲストスピーカーによる講義を行う。また、授業外では、5月下旬に福島、8月上旬に石巻を訪問する予定。
以上の学びをふまえて、8月中をめどに個人作品を提出してもらう。また、秋学期中には公開シンポジウムや三田祭発表の実施も検討している

―求める学生像は
震災に関して自分なりのテーマを設定し、研究してもらう予定。学部は問わないが、震災に強い関心をもつ学生の履修を期待したい。

(太田直希)

 

2月7日の視察について、詳細なレポートはこちらから

ルポ 福島第一原発 廃炉のイマに迫る