慶大には、学部・研究科にとどまらず、ある分野に特化したユニークな研究所が数多く設置されている。メディア・コミュニケーション研究所(メディアコム)もその一つだ。
メディアコムでは、マスメディアやジャーナリズム、広告、PRに関する研究が行われている。所長の澤井敦教授に、メディアコムの具体的な仕組みや魅力を聞いた。

メディア・コミュニケーション所長の澤井敦教授

塾生は、学部を問わず2年次または3年次での入所が認められている。入所試験は、一次の筆記試験、二次の面接試験で構成される。晴れて合格すると入所が認められ、メディアコムが設置する多くの授業を受講することができる。

メディアコムの開講講座は、特殊研究、基礎演習、研究会、基礎科目の4科目に大きく分かれている。特殊研究では、現場の最前線で活躍する(メディアコムのOB・OGを含めた)講師が携わる授業が半分を占める。基礎演習では、情報の入手や表現に必要なスキルを磨くことを主眼とした授業が展開される。

例えば、「文章作法」という授業では、実際に通信社に勤める記者に記事の書き方を綿密に指導してもらえる。このような実践的で現場に即した授業は、メディアコムならではの魅力だと澤井所長は話す。「メディアの仕事に就くかどうかに関わらず、キャリア設計を描く上で役立つことは間違いない」

一方で、現場から離れ、法律、政策、社会心理などの観点からメディアを多角的に学ぶ科目として、研究会が設置されており、いわゆるゼミ活動が行われている。一般的な学部生は3年生からゼミに所属するのが一般的だが、メディアコムでは2年生から所属できる。

基礎科目が研究生以外も履修可能であるのに対し、ここまで紹介した3つの科目は研究生のみしか受講できない。そのため、「ぜひ新入生にはメディアコムの受験を考えてほしい」と澤井所長はいう。

では、メディアコムが求める学生はいったいどのような人材なのだろうか。
澤井所長は、「メディアコムにはいろいろなことに真摯な姿勢で取り組む学生が多く、そのような学生を必要としている」と話す。

また、修了生の半分以上がメディア系の進路に進むように、メディア志望の学生には最高の環境であるそうだ。もちろん就職に関係なく、メディア関係や政治などに広く関心を持っている学生は大歓迎だという。

研究所主催の公開講座や説明会は4月から開催されているので、メディアコムに少しでも興味を持った学生はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

(西岡詩織)