平成の次は「〇〇」!? 日本の「元号観」に迫る

元号に詳しい社会学者の鈴木洋仁さん

改元が迫る今、ますます注目が高まるであろう「元号」。社会学者の鈴木洋仁さんに、元号とは何か、現代日本人の「元号観」はどのようなものかについて聞いた。

そもそも元号とは、その言葉通り「時代の始まり(元)を表す記号(号)」である。紀元前140年に中国の皇帝が「建元」と名付けて始まった。元号は、時代を区切るものであると同時に、「時代をも区切れる」という統治者の権威の強さを示すものでもあった。

今年5月からの新元号は、中国古典の専門家など政府の依頼を受けた有識者が出した候補から決定される。元号には制約があり、1979年公表の「元号選定手続き」によって六つの条件が定められている。

元号選定の六つの条件

ここ最近、新元号を巡る予想が活発に行われている。これまでは、新元号の発表と天皇陛下の崩御が重なっていたため、世間には自粛ムードが漂っていた。しかし今回は天皇陛下が生前退位されるため、ためらいなく自らの予想を発表することができる。

ただし、ちまたで予想されている元号が採用される可能性は低い。なぜなら、一般人が新元号を的中させてしまうと、その者に権威があることになってしまうからだ。だが、ネット上で多種多様な予想が示されている現状では、完全に初出の元号を発表することは難しいと鈴木さんは考えている。

元号は中国が発祥だが、一人の天皇に一つの元号を限定する一世一元制度を現在も続けているのは日本だけだ。そんな日本では、元号と西暦を併用するうちに、独特の「元号観」が形作られてきた。
昨年、「平成最後の」という言葉があちこちで聞かれたように、現代日本人は元号を楽しく利用したいという気持ちを持っている。このような状態は、「元号のカジュアル化」、「元号のイベント化」といえる。

改元のためのシステム対応など、確かに元号の常用はやや不便な部分もある。だが元号と西暦が共存する日本において人々は、元号そのものの存在を廃止したいとは思っておらず、イベント的に利用している。これが現代の「元号観」といえるだろう。

初めは統治者の権威を示すものであった元号は、現代日本において姿を変えながら私たちの生活に寄り添っている。「平成」もあと少し。満喫したいものだ。

(太田直希)


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