《東京いろは》原宿 相対するファッションの共存

東京いろは

竹下通り 挿絵=鈴木裕(環3)

衣服は、日常に不可欠なものである。誰しも服を着て外へ出る。ファッションが好きな人もそうでない人も、服選びを避けて生きていくことはできない。

現在、トレンドのアイテムを探したり、おしゃれな着こなしを考えたりする際には、ほとんどの人は手元のスマートフォンを開き、SNSやウェブサイトで好みのコーディネートを探すだろう。

では、スマホやSNSが普及する前はどうだったのか。「10年前は、原宿や表参道に直接足を運ばないとおしゃれな人たちのファッションは見られなかったし、ファッションを見るために街に出かけていた」とファッションジャーナリストのミーシャ・ジャネットさんは話す。

写真提供=セリア・ハンフリーズさん

2004年に服飾専門学校に留学するため来日して以来、東京のファッションに寄り添い、見つめてきたジャネットさん。来日当初は実際に原宿や表参道に足を運んでファッションを体感してきたが、現在では原宿に行かなくともロリータやカワイイ文化などの原宿ファッションを楽しめるようになったという。

「東京という街の面白いところは、神社仏閣や無印良品といったミニマルで整然とした要素と、秋葉原や新宿のネオンや原宿のカワイイ文化に代表されるようなにぎやかで混沌とした要素という、対照的な要素が共存していること」

原宿ファッションと聞くとポップなカラーリングにキュートなモチーフが散りばめられた奇抜なファッションを連想するかもしれない。だが、実際にはそれらとは対照的なコムデギャルソンやアンダーカバーのようなモノトーンのミニマムなファッションも同時に内包されている。極端な二つの側面を有する東京という街だからこそ許される多様性だ。

このような懐の深いファッション文化の成立には、日本の治安の良さが一役買っているという。

「日本人はどんなに他者と相いれないファッションをしても、批判されたり陰口を言われたりするくらいで、身体の安全を害されることはない。海外でも自由に装うことはできるけど、外見から異常者と判断されれば身の安全は保障されない」とジャネットさんは指摘する。では、東京でファッションを楽しむにはどうしたらいいのだろうか。

「今のファッションはごちゃごちゃしているし、本当に良いものはすごく高い。トレンドアイテムはプチプラを活用して。一目で相手に自分を印象付けられるように、ファッションを武器として使ってほしい」

自分らしいおしゃれをして、知らない東京を探してみてはどうだろうか。

(川上ゆきの)


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