「批判は覚悟してた」 準ミス・上野瑚子さんがミスコンを振り返る

準ミス慶應に選ばれた、上野瑚子さん(法3)

ミス慶應コンテスト2018で準グランプリに輝いた上野瑚子(うえのここ)さん(法3)。コンテスト出場のきっかけ、一躍話題となったTwitterの運営、ミスコンを経た彼女自身について、今だから話せるエピソードを、赤裸々に語ってくれた。

 

Q ミスコンに出ようと思った最初のきっかけは何ですか?

思い出作り。大学生らしいキラキラした思い出がなかったから。声をかけられて、ギリギリまで「自分なんかが出ていいのかな」って迷っていたんだけど、一生に一回しかないから、思い出作ろうって。

 

Q もし声をかけられていなかったら出なかったのですか?

たぶん出てなかった。宣材撮影の日まで辞退して良いよっていうのがあったんだけど、それまで迷っていた。当時、司法試験予備試験を受けていて、ギリギリで落ちてしまってやけくそ気味なのもあったんだけど……勉強と真逆のことをやってみたいなって思った。読者モデルをやっていたけど、もともと華やかな性格ではないから。勉強とインターネットが大好きで。

 

Q インターネットで普段何をしているのですか?

Twitter、まとめサイト、Wikipedia巡り。情報を読んでいくのが好きで、活字中毒なところがあって。もともとスマホを持つ前は読書家だったし、読み書きが好きなんだと思う。高校生のときは桜庭一樹さんにすごくハマってた。中高時代は、図書室にこもって『風と共に去りぬ』とか名作って言われている作品は一通り読んだ。好き嫌いはあったけれどね。高校時代は文学部に行くかどうかも迷ってた。

 

Q もともと内にこもる性格なのですね。

読者モデルをやっていたから社交的なのでは、と思われるけど、あえてそういうことをやらないと、ひたすら内にこもってしまう自分がいたから。決して社交的ではないけれど、メディア露出には抵抗がないというか、人と話すことは苦手ではないしいくらでも話せるけれど、楽しいとは思わなかった(笑)

でも最近は会話って楽しいと思っているし、ミスコンに出たことで、友達とご飯に行くとか、ディズニーランド行くとかフットワークが軽くなった。

 

Q ミスコン活動期間中に起こった出来事を通じて感じたことはありますか?

視野が広がった。私は慶應中等部上がりで高校、大学と慶應で。学校に行って、司法試験予備校行って、Twitterやって……みたいな生活だったから。友達も限られた世界で、常識が歪んでいたけど、起業したい人、就職活動を頑張ろうっていう人、他大の人……いろんな人と交流できた。

 

Q Twitter運営で話題になりましたが、どのような気持ちで運営していたのでしょうか。

ミスコンに出てから最初の1週間くらいは、グランプリを取りたいというよりは、キラキラしてて楽しいことをしたいって思ってた。「テンプレキラキラ女子大生」を演じて半年間過ごそうと思っていたんだけど(笑)。リプライでネットスラングを使ったらそのツイートが拡散されたから、キラキラ女子を演じる必要もないんだ、って。

最初は「ミスコンに出るようなキラキラした女子大生が、ツイッタラーに媚びを売ってる」とか否定的な見方をされた。「こういうことをミスコンアカウントで呟くと反感買うのかな……」って迷いつつも、だんだんと、周りの人が受け入れ始めてきたから、「もういいや」ってなった(笑)。

 

Q 媚びじゃなくて「素」なんですね。

そうですね。私自身がネットサイドの人間だからこそ、ネットスラングを使うと反感を買うっていうリスクもわかってた。

私のアカウントはフォロワーが多いけれど、本当にファンなんじゃなくて、ただ珍獣をみている感覚で(笑)フォローしているのではないかと思ったこともある。「フォロワー多いから賞取れるでしょ」という周りからの謎の期待があったけど、フォロワー数=ファンではないって思ってたから「期待はしないで」って思ってた。

あとは、ハンドルネームに「ミス慶應No.2」って付いているからこその意外性が大切だと思っていて。ミスコン期間中は、1日2回(「おはよう」と「おやすみ」の投稿)は「ミスコンぽい」ツイートをするとか、「ゼミ合宿に向けてこんな本を読まなきゃいけないの」っていう大学生らしい「日常」を投稿することも心がけた。

ミスコンやミスターコンに出ている大学生って、外から見たら「人生イージーモードそう」「順風満帆そう」と思われがちだし、私も思っていたけど、実際に他大のミスターやミスの候補の子たちと話してみるとそうじゃない。どんなに学歴が高くて外見が良くても、その人たちにしかわからない世界線なのかもしれないけれど、それぞれの悩みがある。

 

Q SNSの投稿で、情報の受け手は、良い部分を切り取ろうとするんですよね。

「この人、イージーモードなんだろうな」って思った時点で、イージーモードな投稿しか目につかなくなっちゃうと思うし。

両親の誕生日に、年に一度の贅沢で良いレストランに行った様子を投稿したら「親が金持ちだから……」と叩かれたりもした。毎日フルコースを食べているわけではないのに……1日の一番キラキラした瞬間しか投稿しないから、世間の人は過剰にその人のことをキラキラした人と捉える。決して嘘を投稿しているわけではないけれど、みんな意外と「普通」なんだよ(笑)。

 

Q 批判を受け入れるのはつらい部分があったと思いますが、今は冷静に話しているように見えます。

ミスコンに出るにあたって、批判は覚悟していた。でもいざ批判を受けてみると、わざわざ叩くような存在、嫉妬の対象になるような存在でもないのに、どうして私を批判してくるんだろうと思った。

でもだんだん、それだけ有名になった証なのかなって思うようになった。私より可愛い子、賢い子がたくさんいる境遇で育ってきたから、もともと自己肯定感が低いんだけれど、自分は関心を持ってもらえる存在なのかなって初めて気づいた。

 

Q 自己肯定感が低い状態で批判を受け入れるのは辛かったのではないでしょうか。

ネット上での批判は覚悟していたけど、周りの批判のほうが怖くて。「調子乗ってない?」と言われるのを心配していたんだけど、周りの人の応援はとても温かくて。「がんばってね」とか「1日1票入れてるよ」という言葉をもらって、優しいなあって。

精神的に辛いとき、Twitterのリプ欄にある「瑚子ちゃんの自撮りを見ることで、慶大に入るための受験勉強の励みになる」という受験生のコメントを見て元気が出たり。

「上野瑚子の自撮り」なんて大した価値もないだろうって思っていたけど、私の言葉や写真が誰かの希望になっている、私のしたことが誰かにプラスに影響を与えているということがとても嬉しかったし、人の優しさを感じることができた。周りの人も、遠くの人も。

 

Q 将来はどのようなことをしたいですか?

今は就職活動に心が傾いているけど、ミスコンに出ていなかったらまず頭になかった。弁護士になることが人生のすべてじゃないっていうアタリマエのことを忘れていた。でも、2年間真剣に法律の勉強をしたことは絶対に無駄にならないと思ってる。どちらにせよ後悔しないようにしたいな。

 

Q パフォーマンス面でのあこがれはありますか?

女性アイドルが好きで、特にハロプロが好き。中1のときにまゆゆ(渡辺麻友さん)を見て、「わあ」って。AKB48を好きになって、握手会に行っていた時期もあった。可愛い女の子が歌って踊っているのって、夢があっていいなって。「この子だけ!」というよりも、アイドルという存在自体に惹かれるし、アイドルというジャンルで戦っている女の子が好き。

アイドルが順位を競うように、ミスコン期間中、皆が同じように頑張っているのに順位がついてしまうのは残酷だなって思っていて。でも、それってミスコンに限らなくて、何事においても同じ。残酷なことだけど、それがリアリティなのかなって。

でも、結果が出せなかったからといってそれまでのプロセスが無駄になることはない。私がミスコンを通して変化したみたいに、その子なりの変化や成長があることが救いなのかなって。

 

Q 上野さんの中で、「残ったもの」は?

結果はもちろん嬉しいし、いまだに実感が湧かない。「ミス慶應準グランプリ」って、字面強すぎるじゃん(笑)。でも結果より、ちょっとだけ前向きになれた自分とか、ちょっとだけ活動的になれた自分のほうが大きな成果だなって。

あとは、そもそも「美」ってなんだろうって考えた時期もあって。外見だけ可愛い女の子を見たいんだったら、アイドルとかモデルさんとか美を専門にしている人がいるわけで、そんな中ミスキャンパスを見る意味ってなんだろうって。本当に外見だけを見たいんだったら、自撮りの写真だけを発信して気に入った女子大生の写真を選べばいいわけでしょ。

私たちにプロモーション期間が与えられたことの意味を考えたりした。Twitterがただ自撮りを上げるだけのツールじゃつまらないから。やっぱり、内面を見られるということを前提にして活動しないとって。もともと完璧主義なところがあったけれど、完璧にはなれないってわかったから。せめて潔さで勝負しようって!

(聞き手=下村文乃)


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